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【後編】ここが変だよ!外国人つらいよ座談会 〜社内外の課題〜

WEBつらいよ座談会

【後編】ここが変だよ!外国人つらいよ座談会 〜社内外の課題〜
YASUDA

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Web業界の第一線で活躍している外国人達が苦労を語り尽くす!外国人つらいよ座談会

一見、華々しく映るWeb業界だけど、実は「ツラい!」ことが盛りだくさん。この対談企画では自分の足で立っていながらも、その大変さを身にしみて理解する人々を招き入れ、酒を飲みながらその魅力と過酷さについて語り合う。

今回のゲストは全員外国人。オーストラリア人のHengteeさん(96 Problems)、カナダ人のRoyさん(rivalschools)、イギリス人のMarkさん(TACCHI Studios)、イギリス人のJames(A.C.O.)の4人。

様々なバックグラウンドを持った人たちが文化の違いに悩まされつつも、あえて日本を選んだ理由、日本に感じている課題、デザインに求める違い、ワークライフバランスまで。 Web業界の第一線で活躍する外国人達がその苦労を語り尽くす。前半は、「日本にきた経緯」や「日本に感じている課題」「デザイントレンド」について語りました。

オーストラリア人のHengteeさん(96 Problems)、カナダ人のRoyさん、イギリス人のMarkさん(TACCHI Studios)、イギリス人のJames(A.C.O.)
左から:オーストラリア人のHengteeさん(96 Problems)、カナダ人のRoyさん(rivalschools)、イギリス人のJames(A.C.O.)、イギリス人のMarkさん(TACCHI Studios)

社内マネージメントとクライアントの説得のつらさ

ー 今の仕事で皆さんが一番苦労していることは何ですか?

Mark McFarlane(TACCHI Studios)
Mark McFarlane(TACCHI Studios)

Mark インターン以外は6人しかいない小さなチームなので、チームを大きくするのが課題です。スキルとカルチャー面で同じマインドセットを併せ持っている人材を見つけることがまず大きなステップです。人材探しは本当難しいですね。

私があまり得意でないだけかもしれないですが、仕事を探すということより良い人を見つけられれば母数は増やせるんですが、その変化をどうマネージメントするかが難しいところだと思っています。実際、今年2人増えただけでまとめるのが大変でした(笑)

Hengtee 具体的にはマネージメントで何が大変でした?

Mark どうカルチャーを持続させるか、仕事の流れを変えていくか、マネージメントの構成を変えるかですね。最初はエキサイティングで、一緒に働くのが楽しいチームと居られることがただただ幸せなのですが、現実が見えてくると自分が帳簿もしなければいけないし、マネージメントの責任者であるので。もちろん楽しいんですが一番苦労するところでもあります。

Roy 私は最終的にどういったアウトプットになるかをクライアントに理解してもらうことに苦労しますね。デザインのプロセスってインタラクティブじゃないですか?最後まで何が完成するかわからない。一方で、クライアントは払っているお金がどこに使われているかを知りたい。「まだわからない」としか答えようがないんですよね(笑) ただチェックを切ってくれる人もいますが、どこに何があって、時間と費用が開発にどう使われているのかを知りたいんですよね。気持ちはわかるのですが、非常に難しいです。

Hengtee ジェームズさんはどうですか?

James  プッシュできる時と抑えなきゃいけない時の見極めですね。あとはもちろんチームビルディング。私たちも今やろうとしていますが、どの段階でも難しいと思います。クライアントに理解される表現でアイデアを伝えることもそうです。自分の中では整理できていても、コンセプトやスタイルを理解してもらうように伝えて、さらにはそれが良いアイデアだと思ってもらわなければいけないので、伝え方は課題です。

これは日本に限らず仕事において言えることですね。提案していることを支えるロジックをしっかり組んでおかないと全てが崩れかねないので、土台となる部分を確立させるのは重要です。タイトスケジュールであると余計難しいことですが。

Roy Husada(rivalschools)
Roy Husada(rivalschools)

Hengtee アイデアを伝える上での基本的なコミュニケーションに関しては、日本と海外で同じだと思いますか?

Roy 日本語がつたない時に始めたので最初は英語でアイデアのピッチをしていましたが、ラッキーなことに当時のクライアントはみんな英語ができる人で、英語でコミュニケーションをすることに抵抗がない人ばかりでした。言葉を選びながらわかってもらえるプレゼンをすることで、彼らも喜んでくれましたね。英語でプレゼンを受けることに対しても非常にポジティブで、英語だったという理由だけで通ったようなプレゼンもあります(笑)

Mark 外国人であることにメリットはあると思います。日本人は外国人と働きたがるので(笑)

Hengtee 付加価値というか、ポジティブな印象を与えるんですかね?外国の企業と働くということで何か変わったことができる、というようなことでしょうか?

James 自由度も高いし、許される範囲も広いと思いますね。単純にマイノリティであるということだけである程度は目立てるので、立ち上がって何かを話す時に耳を傾けてくれる人が多いと思います、背の高さも関係してくるかもしれませんが(笑)

Mark あとは思ったことをはっきり伝えるということを評価されているのだと思います。Yes Manではないですからね。

日本人は働きすぎだけどいいところもある?

ー 日本にきてワークスタイルはどのように変化されましたか?

James 最初は残業が長くて驚きました。広告会社に次の日の朝10時まで(いわゆる朝イチ対応)に変更を要求されたり。

Roy  広告会社に関してはよくある話ですね。仕様変更や締切も酷い会社と働いたことがあります。大きいブランドがクライアントだったのですが、個人的な嗜好と意見で決断がどんどん下されて、格好つけたいだけでもう何がやりたいのか全然わからなくて…

私がカナダで働いていたとき、クライアントはアメリカ人ばかりでした。バンクーバーはマーケットが大きくなくて予算も企業数もアメリカの方が断然大きいので、自然とアメリカの大企業と仕事することが多かったですが、今とは全く違う種類の課題を抱えていました。 バンクーバーにいながらアメリカのクライアントと仕事をしていたので、リモートで働くことが多かったです。今は直接会えるところにクライアントがいて、スカイプ会議や2週間に一度飛行機で会いに行かなくても良いのでこっちの方が私は好きですね。広告会社側もクライアント側もエゴが大きい人もいましたが、素晴らしい人も沢山いました。

James Bowskill(A.C.O.)
James Bowskill(A.C.O.)

James  最高のモノを作ろうとディテールにこだわる人が多いように思います。一つ一つにとても細かくて、それが良いものを作るのに貢献することもありますが、プロセスを長引かせることもあります。日本の特徴なんですかね?カナダにいるときと比べてどうですか?

Roy 一理あると思いますよ。具体的なシチュエーションを思い出せないのですが、日本で働いている方が細かいところまで聞かれることが多いと思います。日本の方が目が肥えているというか、多様な文化が混じり合っているカナダより、日本の文化の方が芸術性が高いイメージです。日本は北米と比べて長い歴史を持っていますし、ものづくりの文化が根強くあると思います。UXなど私たちの強みはありますが、その文化が日本人がディテールにも細心な注意を払うところに現れていると感じます。

Hengtee オーストラリアにそういった文化はないですね。最初に日本に来た時、自分たちがこんなに怠惰だったのかと思いました。日本だと学校でも一つのことを繰り返して、上達することに力を入れますよね?野球とかでも、素振りを100回も200回もやるじゃないですか。一つのことに集中して続けることに専念しますよね。オーストラリアではそんな人いないですもん(笑)

ー 日本の働き方についてはどのようにお考えですか?

Mark 働きすぎだと思いますね。トップダウンのシステムが関係しているんだと思います。感覚的に感じることなので100%合っているかはわかりませんが、残業時間が長い日本人と話していると、そういう働き方をしなければいけないと感じているのだと思います。

日本だけではないですが、やり直しがきかないと思っている人が多いと感じます。 大学に勉強しに行って、その後 職について終わりだと思っている人が多いと感じますね。学ぶっていうことは人生において最も貴重な財産のひとつだと思ってる私からすると、悲しいことだと思います。私のような人間が新しいことを学んでそれをキャリアにする、といったようなことがあっていいはずなんですよ。

残業の何が良くないって、自由な時間、リラックスできる時間がなくなることで立ち止まることがなくなって、天職につながるかもしれない何か新しいことを学ぶことがなくなってしまうことだと思います。何か情熱を持っていることがあれば、週に数時間時間をとることで学べるし、それを職業にすることだってできる。でもそういう時間を取れない仕事をしていたら一生同じ仕事を続けることしかできないんです。

James 日本ではキャリアチェンジがあまり見られないですよね。一つの企業に長い間いて貢献するという日本の精神が私は好きです。10年以上一緒に働いているとだんだん自分のキャリアを積むことより一緒に働くということが大切になってくるんですよね。日本に関してよく言われることですが、本当に美点だと思います。給料を理由に転職する人が少ない。長期的な視点を持って、同じ人と長い間働くって良いと思います。

Hengtee Lim(96 Problems)
Hengtee Lim(96 Problems)

Hengtee 今の仕事で残業が長いと感じますか?

James  たまに思いますね。ただ、スケジュール的に必要だったりするので。ラッキーなことに「もうだめだ」と思うほど長く続くことはないので、たまに遊びに出かけます。

Roy 私は仕事が好きなんで問題ないですね。10年前に起業した時には、仕事とプライベートを分けようと思っていました。仕事は大変になることが目に見えてましたし、持ち帰って仕事をしていたらもっと大変になった時にプライベートで関わっている人たちに影響すると思っていたので。ただ、実際にそういった状況になった時にしたのは、仕事をプライベートと同じように楽しめるように、境界線をなくしたこと。今は仕事が楽しくて、周りの人とシェアしたいんです。9時5時で働いて退社したらもう話したくない、というような仕事ではありません。

北米の文化かもしれないですが、バンクーバーにいた時も、同僚は友達という感覚でした。仕事とプライベートの境界線をなくすことでワークライフバランスを保っているような気がします。やりたいことをやっているので、前みたいに疲れることはありません。あとは頻繁に休憩することですかね(笑) 日中に銭湯に行ってゆっくりしてから、マッサージチェアに座りながら仕事ができると、バンクーバーの友達にいつも自慢しています。

Hengtee 仕事をしている時、環境を変えることが気分転換になったりしますよね。外に5分でも10分でもいるだけで。空気を変えて頭もスッキリすると思います。お二人はどうですか?

webつら

James  仕事以外でしたいことを持つ、ということですかね。私は家に帰って子供が寝る前に本を読んであげたいとか。こういう仕事って終わりがないじゃないですか。より良くするためには常に何かできることがある。リモートで働けるというのもメリットで、海外に家族と旅行に行っても、旅行先のホテルで朝働いて午後は休んで、ということができるので。パソコンがあればどこでも仕事ができますからね。 あとは客観的な視点を忘れないことですかね。ストレスフルな時もあるので。どんなに頑張ってもウェブサイトなんだと。心臓の手術をしているわけでもなく、人の命を左右する仕事でもなく。自分の仕事とそれが抱えるリスクやメリットについて客観的に考えるようにしています。

Mark 常に改善の余地がありますからね。完全にはならない。キリがないのでそれで終わらせなければいけないこともありますね。

今後について

Hengtee そろそろ終わりたいと思いますが、最後にみなさんのゴールや目標を教えてもらえますか?マークさんはやはりCanvas関連でしょうか。

Mark そうですね、Canvasをどこまで広げられるか試してみたいです。ギャラリーかカフェかバーかイベントスペースか、なんでもいいのですが、企業もレンタルできる映画のスクリーニングや音楽イベント、オフ会などを開催できるスペースを東京に作るのが夢です。場所自体もそうですが、それを中心にコミュニティーができてオンラインとオフラインの融合みたいなものができると良いと思っています。

James 大変そうですね。

Mark 方針さえ見つけられれば安心です。今やっていることは楽しいのですが、数年毎に何か新しいことをしていたいので、3年後、5年後、10年後には、新しいことをしていて、スタジオは誰か違う人に手渡していたいです。一人のデザイナーとして最高の仕事をしようという意識から、最高の会社・チームを作ろう、という意識への変化からそう考えています。

Roy  私はある程度大きい会社になったからかもしれないですが、会社を大きくしたいという願望はなく、素晴らしい人と時間を過ごすことですかね。日本に来てから会社や一つの組織に所属するというよりは、個人としてでもグループでもどこでも一緒に仕事ができることに気づいたので。

webつら

James ないものねだりのところはありますよねきっと。会社が小さければ大きくしたいし、大きくすればしたで独立したくなったり、すれば大変さに気づいたり、どっちの経験もあるのが良いのかもしれませんが。

元々A.C.O.ではCEOがすべてのプロジェクトを見て意思決定をしていたので、プロジェクトを知らずにビジネスはできないので離れるのは難しかったですね。手元を離れてからも何か問題が起きれば直さなきゃいけなかったり、ただ失敗するのを見ていなきゃいけなかったり。どう教育するか、そしてどう教育を促すか。いろんなことを考えますよね。

Hengtee そういう意味だと環境づくりが重要ですね。自分なしで意思決定をできる人がいるかどうか。

James  承認なしでやることに慣れてもらうのが大変でしたね。リスクをとってやってもらうということを促すようにしていました。

Hengtee 決断できる立場になると責任の重さが怖かったりしますよね。YesかNoかを言う立場になると。

James あとは責任を持って仕事をしてもらうこと、そういう文化を作ることが大変だったりしますね。決断することに慣れていない環境で育った人にとっては特別恐ろしいんだと思います。私からすると、全部答えを持ってるわけじゃないんだから聞かないでほしい、と思うんですけど、難しいですよね。

Hengteeさん(96 Problems)、Royさん(rivalschools)、YO(A.C.O.)、James(A.C.O.)、Markさん(TACCHI Studios)
左から:Royさん(rivalschools)、YO(A.C.O.)、Hengteeさん(96 Problems)、James(A.C.O.)、Markさん(TACCHI Studios) ※YOは今回ファシリテーターとして参加

GUESTS

  • Hengtee

    Hengtee Lim(96 Problems)

    オーストラリア人。Writer and editor。96 Problemsで編集者とライターとして勤め、medium.comで短編小説を書いています。

    http://www.96problems.com/

    https://medium.com/@Hent03

  • Roy Husada

    Roy Husada(rivalschools)

    カナダ人。ux professional。 14年以上UI/UXデザインと商品やビジネスプロデュース、リーダーシップの経験。消費者とコーポレートブランドのためのデザインソリューションを提供します。クライアントはMotorola,Danone, Symantec, Nike and Toyotaなど多数。

    rivalschools

  • Mark McFarlane

    Mark McFarlane(TACCHI Studios)

    イギリス人。Director & Android, iOS developer。 東京渋谷にあるTacchi Studiosの創業者、ディレクター。テクノロジーとデザイン思考でクライアントと一緒に問題解決をしています。サイクリングと美味しい食べ物が大好き。

    TACCHI Studios

    canvas

  • James Bowskill

    James Bowskill(A.C.O.)

    イギリス人。Creative Director。2001年から東京に在住、2013-2016年の3年間はロンドンに住みながら東京とオンラインでリモートワークを推進。グローバル企業のクライアントが多く、デジタル領域のコミュニケーション戦略をサポートしています。emotion(人間的情緒)と function(循環機能)のバランスを大切に考えている。フィットネスやDIY、子供達と遊ぶのが楽しみ。

  • KAKULULU

    KAKULULU(店舗提供)

    http://www.kakululu.com/

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WRITER

yasuda

安田 翼

TSUBASA YASUDA
MANAGER / PRODUCER / WEB ANALYST

A.C.O. Journalの初代編集長。電気通信大学人間コミュニケーション学科卒業。制作会社勤務、フリーランスを経て、現在に至る。企画、プロジェクトマネジメント、アクセス解析担当。グロース・マネジメント部マネージャー。2017年10月をもって、編集長を退任。

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 Planning 葉 娸筠 / 渡邊 奈津

Writing 安田翼

Photo Shooting 足利森

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