リアル×ソーシャルメディア ケーススタディー

 
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FacebookのCEO、マーク・ザッカーバーグは、4月22日に行われたカンファレンスでWebのあらゆる場所がアクセスした瞬間からソーシャルという状態を作り出したいと述べました。
5億人近いユーザー数を持つFacebookCEOの発言ですから、これは現実味を帯びた発言なのではないでしょうか。
さて、昨今ソーシャルメディアは利用者数をどんどん増やし、同時に色々なケースも生まれました。それらの中から成功事例をご紹介したいと思います。

テーマは、Web社会(ソーシャルメディア)における社交術。 誰でもソーシャルメディアに参加することができ、参加者が増えたからこそ実際の世界(リアル)の重要性が増した、といったところです。

■CHAT ROULETTEを使った最高のエンタメプロモーション
【CHAT ROULETTE】
CHAT ROULETTE(チャットルーレット)は、世界中の人々とwebカメラごしにオンラインチャットできるサービスです。 chatroulette.png このサービスの特徴は、誰と繋がるか分からないランダム性にあります。
話す言葉が違う誰かとwebカメラ越しに繋がるが、もう一度出会う確率は低い。 旅の恥はかき捨てという言葉がありますが、このサービスに参加している人を媒介にした、旅をしているような気分を味わうことができます。
この一期一会システムにより、顔は出ているけれど、匿名という新しいコミュニケーションが生まれました。
匿名だからこそ好きに自分を表現することができ、「webカメラを使ってどれだけ面白いことをするか」を競う場になっているようです。
ちょうど初期のYouTubeのような、エッジの効いた人達が集まっているようです。

【謎のピアノマンの正体】
さて、3月頃、CHAT ROULETTEに謎のピアノマンが現れました。
フードをかぶり、メガネをかけた謎のピアノマン、ランダムに繋がった相手をネタに、即興で作曲、作詞、演奏を行います。やっている事自体も面白いのですが、加えて即興の演奏クオリティが高く、ずいぶんと注目を集めていました。
さて、この動画が話題になって一ヶ月もたたないある日、ピアノマンがライブを開催したとの動画が流れました。場所はアメリカCharlotte。ライブには2000人もの観客が詰めかけました。
odetomelton.png 動画はこちらから
実はこのピアノマン、ベン・フォールズという有名ミュージシャン。
CHAT ROULETTEはロシアの17歳の高校生が開発した若いサービスであり、実際はポルノ的な要素も含まれているため、企業や著名人の利用は無いだろうと思われていた中、匿名での演奏と、実際のライブを組み合わせるというアイディアはとても新鮮に映りました。
謎のピアノマンが行ったライブは、ソーシャルメディアを使った最もエキサイティングなエンターテイメントの一つだと思います。
ライブに参加した観客は、ベン・フォールズの即興という才能の熱烈なファンになったことでしょう。Charlottoから遠く離れた日本にいる私自身も改めてBen foldsのファンになりました。
まずやってみること。うまくいったら枠を広げてみること。ソーシャルメディアマーケティングで良く言われるセオリーを忠実にした、最高の事例だと思います。

■Ustreamを使った成功事例
【Ustream】
Ustreamは動画で生中継ができるサービスです。iPhoneやwebカメラを使って手軽に個人が動画中継をできることから、どんどん番組本数が増え、また、Twitterとの連携によって番組を観ながらコミュニケーションをとれるようになり、一気に認知度があがりました。

【Ustream×クラブイベント=Dommune】
さて、Ustreamを利用した興味深いコンテンツをご紹介します。 恵比寿にあるクラブDOMMUNEは、Ustream中継で、クラブでのトークセッションやフロアの模様を生中継するサイトを開設しました。
dommune.png きちんとした機材を通して送り届けられるクリアなや、クリエイティブな映像パフォーマンス。これらをオフィスや家にいながらにしてリアルタイムで視聴することができます。
「音が良い!」「クラブに行きたくなった!」「初期のMTVみたいだ!」といったつぶやきがtwitter上を埋め尽くし、一時は同時接続者数にして5000人を超える視聴者を集め、一躍人気チャンネルとなりました。
この試みは、「Dommuneに行ってみたい」という新しい顧客と、「もう一度Dommuneの興奮を味わいたい」というクラブから離れてしまった顧客の両方を獲得したのではないかと思います。加えて、クラブにとって一番大切な最先端(ファッショナブル)の称号をもたらしたことでしょう。
Ustreamが人気を集める理由は、同じ場を共有できるからだと思います。
番組を観ながら、発信者の声や仕草にツッコミをいれ、時に発信者がそのツッコミに反応してくれる。何が起こるかわからない緊張感によって動画にひきつけられ、視聴者同士でその緊張を共有しつつ、一緒に番組をつくっていく。
Ustreamの生中継を観ながらツッコミを入れていると、まるで友人宅のパーティーで、みんなでリラックスして同じ鍋をつつきながら思い思いのことを喋っているシーンを思い出します。
物理的には一人だけれど、強力なリアルタイム性とインタラクティブ性によって、その場の空気まで共有できるかのような、新しい体験ができることと思います。

■webと現実の境界線がなくなる。位置情報系サービスの台頭
【位置情報系サービス】
位置情報系サービスは、場所にチェックインして、自分が今どこにいるか、友達と共有できるサービスです。
一人でご飯をたべるのがちょっと寂しい夜、なんとなく知り合いが集まっているところがわかったり、同時に自分が誘われていないことを気にしたりと、新しいコミュニケーションが生まれます。
foursquareや、gowallaといったアメリカ発のサービスを中心に、位置情報を使ったビジネスが展開されています。
foursquaregowalla.png 位置情報と連動すれば、実店舗に来てくださったお客様とネットを通じてコミュニケーションをとることが出き、例えば「foursquareでチェックインしてくれた方には何%割引」など、実店舗ならではのwebキャンペーンを各店舗ごとに展開することができるようになります。

【現実世界への出口】
位置情報系サービスは、現実の世界ありきです。 自分の体を動かしてどこかに行かないと発信することすらできず、ネット内で完結するサービスではありません。
web上の世界と現実世界はより境界がなくなり、今後その流れは加速するだろうといわれています。



■デジタル情報化革命の次の時代
現実世界の多くがデジタル化され、情報としてインターネット上に置かれました。ソーシャルメディアの台頭により人がインターネットに接続する時間は長くなり、情報はますます増え、次々新しいサービスが生まれ、全ての変化が早くなる。まさにパラダイムシフトという言葉に相応しい時代かと思います。

ただ、面白いことに注目する人の本質は全く変わっていないように感じます。
現実世界の「体感」や「偶然」。現実世界で起こる感動をアーカイブ情報が上回ることは、とても難しいようにみえます。

即興できる才能、音や映像へのこだわり、誰がどこで遊んでいるか。これらの要素はデジタル化されていく中で、すごいスピードで後ろの方に飛んで行ってしまったと思われていました。しかし、ソーシャルメディアの台頭により今また注目を浴びています。

企業によるメッセージを、それが有益だと思えるお客様に届ける。我々が行っているWeb制作の仕事やクリエイティブの本質は以前と変わらないと思っています。
以前と変わったのは、ソーシャルメディアに接続するお客様が爆発的に増えたことと、お客様に有益だと思って頂けるメッセージの質が変わったということです。
コミュニケーションの方法が増えた分、使えるリソースも増えたように思います。
既にあるリソースを見つけ出し、既にインターネットに接続しているお客様適切なサービスを通じて届ける。これこそが今我々にできることだと思っております。

お読み頂き誠にありがとうございます。本レポートでは今後もソーシャルメディアを通じて行われるコミュニケーションを研究して参ります。
引き続きA.C.O.をよろしくお願いいたします。

2010年4月23日
木村史園
@kimurashion on twitter

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