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広告からみる、世界と日本のクリエイティブのちがいーアジア編

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世界と日本のクリエイティブのちがいーアジア編

Hello there! A.C.O.編集部です。多くのグローバル・WEBサイトをデザインしているA.C.O.では、業務を通じて、日本と海外の文化には大きな違いがあると日々感じています。今回、様々な違いがある日本と海外の考え方をビジュアル面で紹介するため、日本と海外のクリエイティブの違いをリサーチしました。

前回の記事(広告からみる、世界と日本のクリエイティブのちがい)では、欧米と日本の広告の違いを紐解いてみました。欧米と日本では考え方に大きな差異があるため、この違いはとてもわかりやすかったです。

では、日本と同じアジアにある他の国々との違いはどうでしょうか?同じアジアだから近いのではと思われがちですが、アジアにもざまざまな文化があり、思考も全然異なります。この違いはなかなか分かりづらいかもしれません。

今回はアジアの中から台湾・タイ・インドの広告をピックアップしてみました。新たなインスピレーションを感じてもらえばと思います。

台湾 -TAIWAN-

まずは日本のお隣、台湾の広告をみていきましょう。残念ながら台湾の広告は日本ほど発展していません。しかし近年、さまざまな企業が広告におけるクリエイティブを重視し始めています。そのなかでも一番注目されてるのは『全聯(ゼンレン)』というスーパーマーケットチェーンです。日本でいうと生鮮品を販売しない『西友』といったところで、安さが売りのいわゆる主婦の友です。消費者の年齢層はちょっと高め。若い人にとっては『全聯』で買い物するのはちょっとダサいイメージがあり、30歳以下の消費者は9%しかいないそうです。

そこから、若い消費者の増加、そして消費習慣を改善するため、全聯は新しい広告『全聯の経済美学』シリーズを制作しました。このシリーズでは若い素人を起用して、ファッション広告のようなビジュアルを用いることでダサいイメージを払拭しようとしました。メッセージを『安い』から『節約』に変え、「全聯で消費するとおしゃれで節約もできる」というイメージを植え付けたのです。この広告は、若い消費者を増やすだけでなく、浪費という社会問題を改善しようとしたものでした。

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(左)たった数円でも大事なんだ。だって俺が一所懸命働いて稼いだものだから。 (中)美は楽しいもの。全聯の価格のように。(右)全聯に近づけば、浪費から離れられる。

全聯には『全聯の経済美学』以外にも成功した広告があります。『MR.全聯』というシリーズです。このシリーズはテレビCMで、メッセージは『安くても高品質』でした。CMは実際の商品を用いた実験映像で、豪華なセットや小道具などは用いず、撮影もラフに行われています。きれいな映像が続くCMでこのような映像を用いることによって、リアリティを出し消費者からの共感を得たのです。

全聯福利卡_牙膏篇

Mr.全聯シリーズの笑える要素は、どことなく日本のおもしろ広告に近い部分がある気もします。ただ台湾の方がより直接的で、伝いたいことを隠さずそのまま表現しています。逆に日本の方はちょっと遠回しで、考えることではじめてメッセージがわかる仕組みになっています。台湾と日本はよく似ていると言われますが、広告においては違いがあるようです。

広告は消費者をより引き付けるだけではなく、社会的責任も有しているのです。

タイ -THAILAND-

次はタイの広告です。タイといえば綺麗な海やビーチといった観光地のイメージが強いですが、実はタイの広告やデザインはかなり進歩しており、国際的なAwardでも受賞していたりします。タイのCMは欧米CMのような先進的なテクノロジーを用いたりはしていないのですが、内容はとても心に刺さるものです。最後まで見ないとその広告が何の商品のものか分からないですが、ストーリーは消費者を惹きつけ、強い印象を残していきます。今回pick upした広告は『名もなきヒーロー』というものです。

主人公は毎日いろんな人の手伝いをしています。彼はこの行動から利益を得たりもせず、お金持ちにもなっていません。しかしこの広告の後半では、彼のおかけて、さまざまな変化が起こりはじめます。短期間では何事もなくみえますが、実はさまざまな変化が起きている。現実においても、あなたが日々小さな親切を行うことで人生が大きく変わるかもしれません。

泰國人壽廣告【無名英雄】Unsung Hero

では、この広告は何の商品のものだと思いますか? 答えはタイ生命保険のキャンペーン『ラブ寄付』というものです。メッセージとしては『どんな少ないお金や、取るに足らない行動でも、だれかにとってはとても大事なこと』というものです。そこから、小さな行動を起こすことで、誰かの人生が大きく変わるということを伝えているのです。このCM以外にも、タイには感動的だったり、面白い作品がたくさんあります。感動系と面白い系のストーリーは、身近に起こりうる題材で、消費者との距離感が近く共感を得やすいからです。

インド -INDIA-

最後はインドの広告です。インドは東南アジアではありませんが、近年注目を集めているエリアです。この広告からは国の文化と社会問題がみえてきます。

この広告は洗剤の広告なのですが、ある家族が描かれています。主人公はお父さんなのですが、娘は家に帰ってきてからずっと、仕事の電話、掃除、食事の準備、洗濯と1秒でも休まず動き回っています。しかし娘の旦那はずっとソファーでテレビを見ていて、全く手伝おうとしません。この状況から娘がかわいそうと思いつつ、お父さん自身も奥さんに同じことをさせていることに気づくのです。そしてストーリーの最後には、お父さんが自宅に帰ってきて家事を手伝い始めます。最後のコビーも力強く『なぜ洗濯はお母さんの仕事なんでしょうか?』というもの。この広告は消費者の心を強く揺さぶりました。

Why is Laundry only a mother’s job?

この例からはインドは男性社会ということがみえてくると同時に、近年どんどん女性の意思が強くなってきていることもわかるでしょう。おそらくインドだけでなく、さまざまな国においてもこの問題は起こっていると思います。FacebookのCOOも自分のFacebookでこの広告をシェアしています。

今回までで、欧米、日本、そしてアジアの国々の広告をpick upしました。広告の方向性や制作方法からは、文化や思考といった国それぞれの特徴がみえてきます。どこの国が正解といったものではなく、他の国の作品からインスピレーションをもらうことで、新たなクリエイティブを作っていければと思います。

by A.C.O. Journal Desk

A.C.O. Journal 編集部です。A.C.O.のカルチャーとノウハウを発信していきます。

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