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4月1日施行の障害者差別解消法と、企業ウェブサイトとの関係とは?

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4月1日スタートの障害者差別解消法と、企業ウェブサイトの関連を調べてみた

こんにちは、プロジェクトマネージャーの瀬田です。

「A.C.O.さん、障害者差別解消法は企業ウェブサイト運営の私たちと何か関係はあるのでしょうか?」

以前お客さんから質問されたことがキッカケで、2016年4月1日より施行された「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」、いわゆる「障害者差別解消法」と企業ウェブサイトとの関係性について調べてみました。今回はその調査を抜粋して紹介します。

障害者差別解消法とはなにか?

内閣府サイトには次のように書かれています。

全ての国民が、障害の有無によって分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会の実現に向け、障害を理由とする差別の解消を推進することを目的としています。

障害を理由とする差別の解消の推進 – 内閣府

では具体的にどのような対策が必要になるのでしょうか? 障害者差別解消法では、大きく2つの方針があります。


1.不当な差別的取扱いを禁止
例えば、障害があるという理由でスポーツクラブの入会や、レストランの入店を拒否することは「不当な差別的取扱い」となります。
2.合理的配慮の提供
例えば、障害者の方から「段差をなくして欲しい」と要望があった場合、その配慮を行うことを「合理的配慮を提供」といいます。

つまり事業者は、障害のある人が困らないよう、可能な限り努力することが求められます。もしその取り扱いや配慮がどうしてもできないなら、その理由を説明し、他の工夫を考える必要があります。

ウェブサイトでやるべきことは?

それではウェブサイトではいったい何かできることがあるのでしょうか?

その一つにウェブ・アクセシビリティ対応があります。
ウェブ・アクセシビリティをザックリ言うと、「高齢者や障害者でもウェブを利用できる環境」を意味します。例えば以下の場合、「合理的配慮の提供」に伴うウェブ・アクセシビリティ対応が必要となるでしょう。


・目の不自由な方からウェブサイトの音声リーダー機能が不充分なことが起因し対応を求められた場合
・手が不自由な方からウェブサイトのキーボード操作のみで機能できないことが起因し対応を求められた場合
・耳の不自由な方から動画が字幕対応していないことが起因し対応を求められた場合

因みに、総務省が2012年に発表している障害者の方のインターネット利用状況に関するデータをみると、「利用している」と回答した人が全体の53.0%もいるそうです。また障害種別で利用状況をみてみると、視覚障害、聴覚障害、肢体不自由、知的障害でそれぞれ91.7%、93.4%、82.7%、46.9%の人が「利用している」と回答しています。
これは決して無視できる数字ではありません。

アクセシビリティどんなことをやる?

それでは具体的にはなにをすればいいのでしょうか?

ウェブ・アクセシビリティにはガイドラインが存在します。このガイドラインに添って改善を行うことが近道です。

例えばガイドラインには次のようなことが対策があります。


非テキストコンテンツ -レベルA:非テキストコンテンツには、同等の目的を果たすテキストによる代替がある
コントラスト -レベルAA:テキスト及び文字画像の視覚的提示に、少なくとも 4.5:1 のコントラスト比がある
キーボード -レベルA:コンテンツのすべての機能は、キーボードインタフェースを通じて操作可能である

それぞれに等級が定義されており、一つの基準となっています。

カラーコントラスト比率のチェック

カラーコントラストチェックツールを使用して、文字のカラーコントラスト比がガイドラインの等級をクリアしているか確認している作業

法的義務ではないのに対応するメリットは?

今回スタートする「合理的配慮の提供」は、企業には努力義務とされています。
それでも企業のウェブサイトは障害者差別解消法に対応したほうがいいのでしょうか?
少し整理してみます。


企業ウェブサイトをアクセシビリティ基準に準拠させるメリット
・障害者とのウェブコミュニケーションを円滑にする
・より多くの人に自らを伝え、ビジネス機会を増やす
・社会的信頼や企業価値向上へとつなげる

一方デメリットは上記の逆に加え、対応費用が増加する可能性があります。
数字になりづらいメリットなため、必然的に企業姿勢や経営思想とあわせて判断するしかありません。

今回この法律が施行されてことで、私たちもよりウェブアクセシビリティの重要性を再認識しました。今後、障害者の方や高齢者の方に対しても企業の伝えたいメッセージを届けることは、ウェブサイトを制作する立場の人間としては非常に重要視すべき点と考えます。

もし、あなたの企業ウェブサイトでアクセシビリティ対策が行われていないなら、次のリニューアル時に見直すことをおすすめします。

今後も動向を追っていき、私自身も理解を深めていきたいと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました。

by Seta Haruhiko

武蔵大学経済学部経営学科卒業。デジタルハリウッド卒業。システム会社、WEB制作会社にてデザイン業務を経て、現在に至る。プロジェクトマネジメント、テクニカルディレクション担当。グロース・マネジメント部所属。

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