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ただ好きなことを語る

味と香りとデザインから読む、クラフトビールのブランディング

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こんにちは、デザイナーの益田です。いよいよ夏、暑い日が続きますね。こんな時期は冷たいビールでプハーッっとやりたくなるもの。私はよく、仕事終わりに缶ビールを買いますが、銘柄は特にこだわりなく、日本のメジャーブランドのどれか。でもふとコンビニの棚を見回せば、ネーミングやパッケージも個性的な海外ビールやクラフトビールがずらりと並んでいます。

いったいどんな味で、どんなコンセプトのもと作られているのかしら…そう思い始めたら居ても立ってもいられなくなり、デザインチームのビール好きメンバーを募ってディスカッションをしてみました。

ラインナップはBREW DOG、GUINESS、BLUEMOON、COEDO、銀河高原ビール、よなよなエール。どれもコンビニ・スーパーで買えるものです。今回は、それぞれのビールの味とWebデザイン、ブランディングについての感想と考察をご紹介します。

BREW DOG PUNK IPA

「すげえガツンとくる、けど爽やかだ」

ビール業界の異端児と呼ばれるBREW DOGが出す「PUNK IPA」は、口に含んだ瞬間、重さと激しさが入り交じったIPA特有の苦味が通りすぎる。しかし、不思議と後味はすっきりとしていて清々しい。

Webサイトは全てサンセリフ体で組まれており、見出し類はコンデンスがかかっている。そこに冗長的な「ゆるさ」は一切ないが、どこか吹っ切れた潔さを感じる。そしてビールと一緒に写真に写る人々は、誰もが開放的で、自由だ。

GUINNESS

「格式高い、伝統の味」

GUINNESSはアイルランドを代表するスタウト。その誕生は18世紀にまで遡る。大麦をローストした、程よい甘みと苦み、そして香ばしさが特徴的だ。

パッケージと同様に、Webサイトも黒い背景にハイライトのゴールドがよく映えており、高級感漂う配色となっている。”OUR STORY”をはじめ、およそ300年に及ぶGUINNESSの誕生から今日までのストーリーがサイト全体を通して描かれており、それらがGUINNESSの伝統、そして揺るぎない自信を表している。

BlueMoon

「可愛いだけで終わらない、ほんのり苦い大人な後味」

BlueMoonはアメリカ産ベルギースタイルの白ビール。飲む前から柑橘の香りが楽しく、甘く爽やかなテイストは、カジュアルなパーティーにぴったり。「可愛い」だけで終わらず、後味はほんのり苦く、大人らしさを感じさせる。

Webサイトは丸みのあるグロテスク系とスラブセリフのフォントで組まれており、こちらも可愛らしさの中に高級感が醸し出されている。写真はどれも華やかで、おしゃれ。商品ラインナップはベーシックなものに加えて、マンゴーとハニーも…女性の好きが詰まっているBlueMoon。

COEDO

「このキレ味は、さながら江戸の侍か」

COEDOは、苦味こそずっしりとしているが引きが早く、まるで侍に一刀されたような、一度飲んだら忘れられないキレ味を持つ。そして、苦さの先には抜けるようなフルーティな味わいが待っており、後味は爽やかだ。

Webサイトの、黒の背景に白い文字で綴られたメッセージは、余計な情報が削ぎ落とされ、純度の高いものとなっている。写真は、素材や人の手、機械に焦点を当てており、品質へのこだわりが伝わってくる。それを顕著に表しているのが麦の写真で、職人の麦との真摯な向き合いを描いた絵になっている。繊細かつ丁寧な、完成度の高いセッション・IPAだ。

銀河高原ビール

「この美味しさは、家族と一緒に」

一口目からその澄んだ味にハッとさせられる。爽やかな香りと少しの酸味、そして天然水の美味さが広がる純粋な日本産ホワイトビールだ。

WebサイトはFlashを使っており、お世辞にも今時のサイトとは言えないが、そこがまた良さを引き出している。GUINNESSやBlueMoonはどちらかというと大人数でシェアする見た目が華やかなものが多かったが、こちらで紹介している「銀河流お料理レシピ」は、どれも家庭で試したくなるようなものばかりだ。どこか懐かしい、家族の食卓を想起させる銀河高原ビール。これからも変わらないでいてほしい!

よなよなエール

「思わせぶりな味が癖になる」

ゆるカワなパッケージのよなよなエール。ジャンルこそペールエールだが、フルーティな香りの後に来るIPAに食ってかかるような強気の苦味がギャップを感じさせる。そして喉を通り過ぎた後も香りや苦味が余韻として残り続ける。

Webサイトもユニークで、最初目に入ってくるのは、月に映る狼の影だ。頑張る女性が、夜ベランダでよなよなエールを飲みながら、ひっそりと余韻に浸りつつ、自分を解放していく姿が目に浮かぶ。

五感で感じるブランディング

レイアウトやメッセージなど視覚的なところで力を発揮することが多いデザイナーですが、今回は味覚や嗅覚を掛け合わせてブランドを感じてみました。これがなかなか新鮮で面白く、各々の「らしさ」をより深く感じ取れたと思います。ただ見るだけでなく様々な感性を尖らせていくことで、さらに良いものがきっとできる。せっかくなのでこうした企画を第2、第3弾とやっていきたいです。

あー、キンキンに冷えたビール飲みたーい。

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by Ayako Masuda

上智大学総合人間科学部社会学科卒業後、通信大手会社に勤めながら、京都造形芸術大学通信教育部情報デザインコース学士課程を修了。外資系ITコンサルティング会社でSEを経験後、現在に至る。UIデザイン担当。デザイン部所属。

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