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UI/UXの観点から見る海外行政リサーチ

UI/UXの観点から見る海外行政リサーチ③: 満足度の高いデンマークの国民向けポータルサイトとは

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近年、デジタル庁発足に伴い日本国内でもDX(デジタルトランスフォーメーション)への注目が高まっています。新型コロナウイルス感染拡大がDXを後押しする大きなきっかけとなったことは言うまでもありません。

また、DXを実現するための手段としてのUI/UXへの注目も今まで以上に高まりつつあります。平井卓也デジタル行革担当大臣も、政府のDXを実現する一つの手段としてUI/UXの重要性を強調しています。

今回は、「世界電子政府ランキング」で、2018年、2020年と連続で1位を獲得しているデンマークの取り組みについて紹介をUI/UXの観点から紹介します。

前回の記事は以下よりご覧ください

UI/UXの観点から見る海外行政リサーチ②: MaaSの発祥地フィンランドの取り組みとは?

はじめに

国連の経済社会局(UNDESA)が2020年に行った電子政府ランキングによると、デンマークは193カ国中1位にランクインしています。(2021年現在)ちなみに、日本は14位にランクインしています。電子政府ランキングは、オンラインサービスや人的資本、通信インフラの3つの個別指標をもとに算出されています。デンマークはデジタル行政を牽引する国として注目されています。

デンマークの特徴は高齢者のインターネット普及率の高さです。2019年のデータによると、デンマークの71歳以上のインターネット普及率は93%となっています。ちなみに、日本の70-79歳のインターネット普及率は74.2%、80歳以上で54%となっており、決して低いわけではないのですが、デンマークが著しく高いことがわかります。

提供しているデジタルサービス

デンマークでは、高齢者のインターネット普及率が非常に高いということもあり、さまざまなデジタルサービスが提供されています。

NemID」は、電子署名を行うサービスです。生年月日や性別、居住地や学歴などが記録されている個人番号と紐づけることで使用することができます。行政手続きや、親族への送金、オンラインショッピングなど、日常のあらゆる場面で使用可能です。現在ではアプリにも対応しており、指紋や顔認証をアプリで行うことでより簡単に使用することができるようになっています。

Digital Post」は、公共機関からの連絡をまとめて電子的に受け取ることができるサービスです。日本では年金などの公的資料は、はがきなどで郵送されることがほとんどですが、デンマークではすべて公的機関専用の電子メールを通して受け取ることができます。民間企業の使用率は100%で、市民の使用率は89%です。

soundhed.dk」は、個人の医療記録がオンライン上で一括して確認することができるシステムです。1977年から導入されており、子供のワクチン投入のタイミングを通知で教えてくれます。医療のデジタル化も進んでいるといえます。

このように、デンマークでは行政主導のさまざまなDXの取り組みが行われています。今回は、デンマークの数多い行政主導のデジタルサービスの中から、国民ポータルサイト「borger.dk」を紹介します。

国民用ポータルサイトのUI/UX

borger.dk」はデンマークの国民向けポータルサイトです。公共機関の手続きに関わる情報がこのポータルサイトにひとつにまとめられており、ワンストップで手続きを行うことができます。2018年のポータルサイトへの訪問者数は3900万人であり、ユーザーの満足度も93%と非常に高いことが特徴です。

ポータルサイトの特徴

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borger.dkのトップページ

ポータルサイトは必要な情報に3クリック以内で辿り着けるように設計されています。

PC版では、上から①使用頻度が高い3つのカテゴリ、②各種カテゴリのショートカット、③全てのカテゴリとなっています。

他国のポータルサイトとの大きな違いは、政府からのニュースなどの情報が含まれていないことです。公的手続きの申請に特化しており、政府中心ではなく、国民中心のポータルサイトになっているといえます。

文字だけでなく、写真を適宜使用することですっきりしたデザインになっています。

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こちらは、外国人用の入国案内のページです。入国手続きの流れに沿って、やるべきことをまとめた情報が1ページにまとめられています。ステップごとの画像とともに記載されており、すっきりとした印象を受けます。

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Q&A方式での折りたたみメニューも多く採用されています。折りたたみメニューのおかげで、ページが長くなり過ぎず、スクロールを最小限に抑えることができます。自分の欲しい情報をわざわざ探しに行く必要がないので、簡単に情報にアクセスでき、ユーザーフレンドリーな仕様であるといえます。

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また、各カテゴリーをクリックした後に表示される選択肢が少ないことも特徴です。たとえば、メインページで「Pension」を選択すると、上記画像のように2つの選択肢のみが表示されます。多くの行政ポータルサイトでは、最初の大きなカテゴリを選択すると、次のカテゴリーでは細かいカテゴリーが表示されています。表示されるカテゴリが細かく、数も多いとユーザーは自分の探している情報がどこのカテゴリーに属するのか迷ってしまうというケースもあるように思います。選択肢をあえて減らすことで、ユーザーの意思決定にかかる負担を減らすことができます。

まとめ

今回は、デンマークのワンストップサービスである「bordger.dk」をUI/UXの観点から紹介しました。bordger.dkは国民向けの行政ポータルサイトではありますが、ビジネスなどの領域での参考になれば嬉しいです。

引き続き、A.C.O. Journalでは海外行政のUI/UX事例についてレポートしていきますのでお楽しみに!

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by Go Ogata

国際基督教大学教養学部4年生。情報科学とコミュニケーションについて勉強中。2021年よりインターンとして入社。

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