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UI/UXの観点から見る海外行政リサーチ

UI/UXの観点からみる海外行政リサーチ⑥: UXに特化した韓国のポータルサイトとは?

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近年、デジタル庁発足に伴い日本国内でもDX(デジタルトランスフォーメーション)への注目が高まっています。新型コロナウイルス感染拡大がDXを後押しする大きなきっかけとなったことは言うまでもありません。また、DXを実現するための手段としてのUI/UXへの注目も今まで以上に高まりつつあります。

今回は、「電子政府ランキング」で2010年以降常にトップ3にランクインしている韓国の取り組みをUI/UXの観点から紹介します。

前回の記事は以下よりご覧ください

https://aco-tokyo.com/journal/digital-government-singapore/

韓国のデジタル行政について

韓国は人口が約5000万人、面積は日本の約4分の1程度の国です(2021年度現在)。近年では、韓国のドラマや音楽が注目されていることもあり、韓国に対して親近感を持つ人も多いのではないでしょうか。

国連の経済社会局(UNDESA)が2020年に行った電子政府ランキングによると、韓国は193カ国中2位にランクインしています。ちなみに、日本は14位にランクインしています。電子政府ランキングは、オンラインサービスや人的資本、通信インフラの3つの個別指標をもとに算出されています。OECDが発表したDigital Government Index(DGI) 2019でも、33カ国中1位にランクインするなど、高い評価を受けています。

また、韓国政府のデジタル行政に関する取り組みは、国民からも高い評価を得ています。韓国政府が行った2020年の調査によると、国民のデジタルサービス利用率は88.9%、満足度は98.1%に達しています。こうした韓国政府のデジタル行政に関する取り組みは、大統領直下の組織である行政安全部(Ministory of the interior and safety)で主に行われています。行政安全部は、地域情報開発院、韓国インターネット振興院、韓国情報社会振興院の3つの組織にわかれており、社会基盤の整備や技術支援などを積極的に行っています。

提供しているデジタルサービス

住民登録番号

韓国では、さまざまなデジタルサービスが提供されていますが、これらのベースとなっているのが個人に割り振られている住民登録番号(RRN: Resident Registration Number)です。出生や国籍取得によって住民登録をする際に発行される13桁の番号であり、個人の情報が紐付けられます。デジタルサービスを利用する際はもちろん、不動産取引、携帯電話の契約や銀行口座開設などさまざまな場面で使用されます。こうした個人情報との紐付けにより、新型コロナウイルスに伴う支援金の給付は2週間で9割完了し、非常事態の場面でも大きな役割を果たしていることがわかります。

Hometax

Hometaxは、オンライン上で税金全般に関わる申請などができる統合的な税務管理サービスです。国民の使用率は86.5%であり、韓国の行政が提供しているデジタルサービスの中で最も高い普及率となっています。Hometaxでは、納税者が税務署に出向くことなく、インターネット上で、税金の申告や納付、e請求書や証明書の閲覧・受領を行うことができます。また、紙の証明書が必要な場合でも、ネット上で申請すれば自宅で印刷することもできます。 日本では、税務署は基本的に平日の朝から夕方までの受付となっている場合がほとんどだと思います。平日に働いている人にとって、税務署に行くことが手間だと感じたことがある人も多いのではないでしょうか。Hometaxは、こうした手間を省いた国民視点で考えられたサービスといえるでしょう。

デジタル運転免許証

2020年6月からは運転免許証もデジタルに対応しています。政府と民間の大手通信会社3社が協力し、スマートフォンアプリ「Pass」を開発しました。アプリケーションをダウンロードし、設定することで紙の免許証と同様に、デジタルの免許証として使用することができます。コンビニなどでの年齢確認にも有効で、リリースからわずか2ヶ月ほどで、利用者は100万人を超えています。

デジタル運転免許証

国民ポータルサイト「政府24」

数ある韓国のデジタルサービスの中で、特に注目したいのは、国民ポータルサイトである政府24です。政府24は、住民登録番号を基盤としたポータルサービスで、84.1%もの国民が使用しているサービスです(2020年時点)。政府24では、国民が役所の窓口に訪問することなく、各種行政手続をオンラインで完結可能なシステムとなっています。5,000以上ものサービスが提供されており、そのうちオンラインに対応しているサービスの数は3,000を超えています。

政府24の大きな特徴は、ユーザーである国民に寄り添った設計になっていることです。たとえば、対応しているサービスを全て一覧にするのではなく、利用度の高いサービスをトップに配置し、すぐにアクセスできるよう設計されています。また、積極的にアイコンを使用しテキストの量を最小限に抑えていることもあり、見た目的にも非常にスッキリしています。

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また、「ライフサイクル別」、「ワンストップサービス」、「パッケージサービス」の3つのサービスメニューにより、それぞれの国民にあった情報を簡単に提供できるよう工夫しています。

ライフサイクル別のメニューは、「幼児」「児童」「青年」「中高年」「高齢者」の5つに分かれています。ライフステージごとに、関連性の高いサービスが一括に表示される仕様になっています。

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ライフサイクル別のメニュー

たとえば、「高齢者」を選択すると、交通機関の割引や福祉関連のサービスが表示されます。自治体やカテゴリ別にフィルターをかけることも可能なので、絞り込み検索を利用してより簡単に情報を探すことができます。

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ワンストップサービスでは、各ライフイベントで必要な書類や手続きがひとつにまとまっており、その多くがオンラインで完結できます。政府24では、ワンストップサービスとして、妊娠、子育て、幼児預かり、転入、相続に必要な手続きを一括に行うことができます。

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ワンストップサービスのメニュー

さらに、「パッケージサービス」では、ペットや海外旅行、退職後の生活などの情報がまとめられています。基本的な仕様は、ライフサイクル別と同じです。それぞれのメニューはアイコンで表現されています。

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パッケージサービスのメニュー

まとめ

今回は、韓国政府のデジタル行政に関わる取り組みを紹介ました。その中でも、政府24は国民視点から、使いやすさを追求するための工夫として、3種類のサービスメニューを使用していることがわかりました。

引き続き、A.C.O. Journalではさまざまなトピックについての記事を公開していきますのでお楽しみに!

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