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UI/UXの観点から見る海外行政リサーチ

UI/UXの観点からみる海外行政リサーチ⑤: スマートネーションを推進するシンガポールの取り組みとは

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近年、デジタル庁発足に伴い日本国内でもDX(デジタルトランスフォーメーション)への注目が高まっています。新型コロナウイルス感染拡大がDXを後押しする大きなきっかけとなったことは言うまでもありません。また、DXを実現するための手段としてのUI/UXへの注目も今まで以上に高まりつつあります。

今回は、「スマートネーション」を推進する、アジアでも屈指のデジタル国であるシンガポールの取り組みをUI/UXの観点から紹介します。

前回の記事は以下よりご覧ください
https://aco-tokyo.com/journal/digital-government-australia/

シンガポールについて

シンガポールは人口が約569万人、面積は東京23区と同程度ほどの国です(2021年現在)。

シンガポールはアジアの中でも、屈指のデジタル国として知られています。国連の経済社会局(UNDESA)が2020年に行った電子政府ランキングによると、シンガポールは193カ国中11位にランクインしています。ちなみに、日本は14位にランクインしています。電子政府ランキングは、オンラインサービスや人的資本、通信インフラの3つの個別指標をもとに算出されています。

また、スマートシティランキング「IMD Smart City Index 2020」では、109都市中シンガポールは2年連続で1位にランクインしています。日本からは東京が79位、大阪が80位にランクインしています。本ランキングは、都市や住環境においてのインフラと住民のサービスに対する満足度、テクノロジーを駆使したサービスの住民への提供の2つを軸に算出されています。シンガポールのデジタル行政は非常に高く評価されていることがわかります。

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組織図

主要デジタルサービス

Singpass

Singpassは、本人認証をオンライン上で完結することができるアプリです。公的文書の電子署名もSingpassを利用して簡単に行うことができます。また、病院用のQRコードをSingpassの専用アプリで読み込めば、簡単に診察の受付を行うこともできます。公的書類の支払い期限などの通知もアプリから送られるため、アプリ1つで手続きを完結することができます。まさに、優れたユーザー体験を実現しているサービスと言えるでしょう。

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アクセス認証に関しても、指紋や顔認証、6桁のパスワードに対応しており、個々でアクセス認証の方法を選択することができます。また、高齢者向けの機能として、家族の承認をもらわないと利用できないような機能もあり、安心して利用できるような仕組み作りも行われています。

サービスサイトも非常にクオリティーが高く、でスタイリッシュなので、ぜひ見てみてください。

LifeSG

LifeSGは、国民向けワンストップサービスを提供するスマートフォンアプリです。雇用やパスポート、財政関連など70以上にもわたる政府のサービスや情報にアプリからアクセスすることができます。また、アプリ内のダッシュボードは個々によって使用頻度が高いサービスや情報を選べるなど、自由にカスタマイズすることもできます。

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ワンストップサービスを展開する行政は他にも多くありますが、自由にカスタマイズできるようなアプリやサイトはまだ少ないように思います。個人のユーザー体験に着目した良い例といえます。

キャッシュレス化推進

シンガポールはキャッシュレス化の推進にも力をいれています。2018年には世界で初めてQRコード決済の規格を統一(SGQR)を行いました。従来からキャッシュレス化が進むシンガポールでは、複数のQRコード決済のサービスが展開されていました。そのため、店舗側はそれぞれのサービスごとの設定やQRコードを表示させる必要がありました。QRコード決済の規格を統一させることで、複数のQRコードを1つにまとめることが可能になり、店舗側のQRコード決済の導入が容易になりました。ユーザーの体験にフォーカスされたサービスと言えるでしょう。

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使用されているSGQR

また、資金送金サービスである「PayNow」もシンガポール国内で利用されているサービスの1つです。「Paynow」は個人・企業間送金に対応しており、口座番号ではなく携帯電話番号や個人番号(企業の場合は個別企業番号)で24時間、手数料無料で送金できるサービスです。シンガポール国内の主要銀行の多くがPayNowに対応している点も大きな特徴です。政府ではなく、シンガポール銀行協会主導によって実現したプロジェクトではありますが、よりよいユーザー体験の提供のために企業同士が協力して取り組んでいる良い例ではないでしょうか。

GoBusiness

ビジネス向けのデジタルサービスもシンガポールでは提供されています。「GoBusiness」は、ビジネスオーナーをさまざまな政府の電子サービスやリソースに結びつけるためのオンラインプラットフォームです。これには、事業の登録、ライセンスや助成金の申請などが含まれており、オンライン上でビジネスに必要なさまざまな手続きを行うことができます。

世界銀行が発表している「企業の設立・経営を容易にするビジネス環境のランキング2020」でも、シンガポールは上位にランクインするほど起業しやすい国として世界のなかでも知られています。GoBusinessのようなE-serviceが充実しているのもこうした結果につながっているのではないでしょうか。

まとめ

今回は、シンガポールのデジタル行政の具体的な取り組みをUI/UXの観点から事例と共に紹介しました。日本国内だけでなく、海外に視野を向けることで新しい知見を得る良いきっかけになるのではないかと思います。英語が苦手な方はこれを機に、勉強してみると世界が広がるかもしれません。

引き続き、A.C.O. Journalでは海外行政のUI/UX事例についてレポートしていきますのでお楽しみに!A.C.O.ではデザイナーを募集しています。興味のある方はWantedlyからご応募ください。

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