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Shere

“みせることから逃げない”

「デザイナーが見えるもののためにしている、見えないこと」という連載テーマからすると少しおかしな言い回しに見えるかもしれないが、これが僕の記事のタイトルになる。

仕事をしていると、“うまくいかない” 場面に何度も遭遇する。

それがデザイナーとして何かをつくっているタイミングだと、この “うまくいかない” は、目の前のノートや画面に表現されたもののクオリティに如実に現れる。そんなとき自分がとる行動はというと、ただひたすら、目の前のうまくいかないものと格闘し、試行錯誤を続けることだった。

色?それとも形?いや、そもそものコンセプトから何かずれてる?なんていろんな思考が全部混ざって、気づいたら手が止まっている。

もちろん、試行錯誤する時間は少なからず必要だ。デザイン、もっと言えばデザイナーとは、そういったうまくいかないものと向き合って考え続けるものなんだと思う。 ただ正直にいうと、この時間は結構きつい。試行錯誤する行為そのものというよりは、いま目の前にある、おおよそ成立しているとは思えない自分のアウトプットと向き合うのがきつい。自分で見ているのもきついのだから、他の人になんて絶対に見せられない。見せたくない。そうやって僕は今まで、見せることをなるべく避けてきた。

それでも、最近は意識的に “うまくいってない” 状態で、誰かに見てもらうようにしている。誰かとは言葉の通り自分以外の誰かである。見せる相手はデザイナーじゃなくてもいい。

理由はシンプルで、そのほうが最終的なクオリティが上がるからだ。

率直な感想や、アドバイスをもらってそれで解決できればもちろんそれでもいい。ただ、みせることの意義はそれだけじゃない。誰かに自分がいま取り組んでいるものを見せるときには、それまでの経緯や自分がいま考えていることを話す必要がある。

たぶん他人に教えるという行為が、結果的に自分の理解度アップに繋がるというような話と同じで、人に見せ、話すことで自分の思考がクリアになったり、今まで気づかなかったことに気づいたりする。さっきまでより少しだけ余裕が持てる。それだけで、もっと視野が広く持てるようになる。

また、この段階でみせることによって、突っ込まれたり疑問に思われることは、クライアントにプレゼンを行う場面においても、同じように疑問に思われるポイントだったりする。

長く議論する必要はない。5分、10分程度のちょっとした時間でいい。うまくいっていない、みせたくない状態のものを誰かにみせる。たったこれだけの心理的ハードルを越えてみる。そうやって得られるものは、僕のいっときの羞恥心なんかよりはるかに大きく、今この瞬間だけじゃなくプロジェクトの最後まで、もしかすると他のプロジェクトにも影響するほど大きな財産にだってなる。

今でも、うまくいかないときになるべくなら誰にも見せたくないと思う気持ちはある。だからこそ “みせることから逃げるな” と、自分に言い聞かせる意味も込めてこの記事を書いた。書いてみると至極当たり前のことを言っているようにも思えてくるのだけど、もし内容に共感してくれる人がいたなら “みせることから逃げない” ことを意識してみてもいいかもしれない。

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by Yusuke Fujikawa

日本大学理工学部建築学科卒業。東京デザインプレックス研究所卒業。フリーランスを経て、現在に至る。デザイン部所属。

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