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デザインの力を社会に還元する。セブ島で働くデザイナー・神子愛香

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Staff StoriesではA.C.O.のメンバーや、A.C.O.に関わるスタッフの紹介をしています。今回はグループ会社であるモンスター・ラボから、フィリピンのセブ拠点でリードデザイナー、アートディレクターをつとめる神子愛香さんが登場します!

神子さんは2017年5月にモンスター・ラボセブ拠点にジョイン。リードデザイナー、アートディレクターとして、フィリピン人デザイナーの育成、サイト・アプリなどのデザイン、コミュニケーション設計を行なっています。2019年2月に開校した、セブ島初のデザインスキルと英語を学べる学校、Monstar Academia(モンスター・アカデミア)の立ち上げメンバーとしても活躍しています。

デザインを通じてフィリピン人の選択肢と可能性を広げたい

ー 神子さん、はじめまして。本日はよろしくおねがいします。さっそくですが、まずは神子さんの今までについて教えてください。

よろしくお願いします。セブ拠点にジョインする前は、東京のデザイン制作会社で4年間、グラフィックデザイナーとして勤務していました。 ブランディングの観点を踏まえた戦略立案を軸に、 紙媒体・Webサイトのデザインの他、プロダクトまで、 幅広いチャネルを横断しながらデザイナーとしての経験を積んできました。 2016年、語学留学で3ヶ月間セブ島に滞在した際に、デザイナーとして、フィリピン人へのデザインスキルの教育を通し、彼らの将来の選択肢・可能性広げることに貢献したいと思うようになりました。

ー 何か具体的なきっかけがあったんですか?

留学中の、現地の人たちとの出会いがとても大きいです。彼らの言う、「I have no choice(しょうがない)」という言葉に大きな違和感を感じて。彼らは日本と違って、全てが当たり前に手に入らないため、「仕方ないよね」と無意識に諦めてしまうことが多いことに気づいたんです。想像していたものとのギャップも大きく、かなりショッキングな出来事でしたね。

私はデザイナーなので、彼らにデザインスキルを提供することで、彼ら自身で何かを考えたり生み出したり、そういった形で将来の可能性を広げることができるようになるのかなと考えるようになり、セブで働きたいと思うようになりました。

セブ拠点のエンジニアとインターン

セブ拠点のエンジニアとインターン

ー そのときはまだモンスター・ラボへのジョインは決定していなかったんですか?

モンスター・ラボとの出会いは、留学最終日、知人の紹介でセブ拠点代表の山口と知り合ったことがきっかけです。

そのときはまだモンスター・ラボではなく、前身となる会社でした。ちょうどその会社がモンスター・ラボにジョインするタイミングだったため、会社を大きく変えていこうとしていた過渡期だったんです。当初、山口からのお声がけは「フィリピン人のマネジメントを担当してほしい」というものでした。私はデザイナーとして働ける場所を探していたので、そのときはお互いのニーズにマッチしないと感じて、話だけ聞いて終わりという感じだったんですね。

ただその後、またセブ島を訪れるタイミングがありまして、そこで再度山口と会って話す機会があったんです。今後、本格的にモンスター・ラボにジョインしていく中で、デザインを強みとし、一貫して行える場所拠点としたいという構想があるからぜひジョインしてもらえないか、と。現地スタッフのマネジメントだけでなく、よりデザインの部分を必要としてくれているという熱意を感じ、そこで初めてセブ拠点へのジョインを決めました。

ー山口さんの熱意が伝わったんですね…!

デザインを強みとする海外拠点として

セブオフィスの様子

セブオフィスの様子

ー では、ジョインしてからのことをお伺いします。ジョインから3年目とのことですが、1年目から現在まで、大きく変わったことを教えてください。

一番大きい点は、デザインから一貫して案件を受けることができるようになったことです。 1年目はとにかく「デザインに強い海外開発拠点」としての認知度向上に奔走していて、デザインに力を入れてはいたものの、デザイン作業に入る前のコンセプト設計や提案はあまりできていませんでした。2年目は、セブ拠点のデザインチームとして他拠点との協働や、育成にも力を入れるようになりました。デザインチームとしてコミュニケーションや提案をしっかりと進め、ヒアリングを重ね、アウトプットする、というような流れを繰り返し、定着させ、案件受注にも繋がっていったのだと思います。

3年目となった2019年の2月には、セブ島初の「デザイン留学」ができる学校、モンスター・アカデミアが開校しました。他拠点からもセブへの往訪が増え、デザインチーム、アカデミアへの可能性を感じてくれている人が増えたことを改めて実感しています…!

フィリピン人のメンバーからは、「生活の中に仕事がある。楽しむことを前提に仕事をする」ということを教わりました。また、彼らは手を動かすのがとても上手です。一方で、彼らは課題を深掘りし続け、+αの提案をしようとする考え方がまだ少ないように思えます。そういったところをデザインスキルとともに、伸ばしていきたいと思っています。

ー 3年間で著しい成長です!モンスター・ラボの海外拠点は全世界にありますが、エンジニアリングに強いという印象が強くありました。セブ拠点についてもそういう印象だったのですが、デザインを強みにしていきたいという方針は神子さんがジョインされてから強くなっていったのでしょうか?

そうだと思いますね。私がジョインしてから、本格的にデザインチームを作っていくことにコミットしていきました。エンジニアリングが強みの開発拠点はセブ内の競合もたくさんあるんですよ。そうなったとき、競合として争うのではなく、逆に競合からお仕事を受注することを見据えたいなと。デザインを強みにして成功している海外開発拠点はそもそもあまり見たことがないのですが、デザインのロジックをちゃんと説明することができれば言語の壁も乗り越え、良いものが作れると思っています。なので、現地のデザイナーにも日本の良いデザインやタイポグラフィなどをしっかり教えて、最終的には私や日本人のデザイナーがいなくても、現地のメンバーだけで日本やフィリピンのクライアントに、デザインから発注してもらえるような仕組みを作っていきたいと思っています。

ーでは、モンスター・アカデミアについても教えてください。どんな特徴・良さがありますか?

モンスター・アカデミアの授業の様子

モンスター・アカデミアの授業の様子

モンスター・アカデミアは「デザインとはコミュニケーションの手段である」ということをテーマにした、デザイナー志望の方だけでなくデザインに関わるすべての人に向けたスクールです。現役デザイナーが講師として教えることを強みとして、私も講評やガイダンスの際に講師として参加することもありますよ。

モンスター・アカデミアのデザイン授業

モンスター・アカデミアのデザイン授業

実はソフトウェアの使い方などを学ぶ授業は少なく、「良いデザインとは何か?」を様々な角度から思考し、考察し、表現し、提案して相手を納得させるという一連のプロセスを学びます。デザインの本質的な力を理解してもらい、卒業後のキャリアに繋げてもらう場所であって欲しいと考えています。

実際にアカデミアで学んでから、セブ拠点にジョインしたメンバーも1名います。今はアカデミアのスタッフ兼マーケティングスタッフという立場で活躍しています!

「デザインの力」でセブ拠点を発展させる

ー セブのデザイン市場はどのようなものになっているのでしょうか。具体的な事例があれば教えてください。

セブ内では、デザインのニーズは高くはないように思えます。圧倒的にコト消費よりモノ消費、質より量といった印象です。芸術、音楽などの文化的な産業も日本と比較するとあまり浸透していません。そもそもデザインを学べる環境が少ないため、デザイナーも少ないです。それに比べて、開発を学べる場所はとても多く、専門の大学もあります。フィリピン全体でもエンジニアの数はとても多いと思います。セブ拠点で働いているフィリピン人デザイナーはもともとエンジニア出身で、デザインツールの使い方を独学で学んだというような方が多いです。

デザインの教育の場がなぜ少ないのかというと、まだまだ貧富の差が激しいことが要因としてあるのではないかと思っています。おしゃれで素敵なものよりも、安くてお腹いっぱい食べられるものの方が魅力的であるとか、そういった欲求に直球的というか。デザインの力が介入できるほどの経済的成長がまだまだできていないのです。でもSNSなどのアプリはみんな使っているんですよね。そういう意味では、インプットできる環境ではあるので、フィリピン人も独学でデザインを学ぶなど、個人がデザインに対してアクセスするような、そういった学び方が多い状況だと思っています。

ーそういった市場やニーズを見つつ、神子さんはセブ拠点のフィリピン人スタッフに対して考えていたり実行していることがあれば教えてください。

デザインチームのマニラ出張

デザインチームのマニラ出張

たくさん外を見て欲しいので、なるべく出張に行かせたいと思っています。出張で違う国に行ったり、セブの人がマニラへ行ったりすることはそうそうないことなんです。モンスター・ラボは本社は日本にあり、それに加えて世界中に拠点があるので、そういった自社の特徴を活かしたいと思っています。

この会社に所属していることによって、自分達だけでは到達できないような経験をさせてあげたいです。行動範囲を広げることによって、インプットの量や視野を広げることもできるので。

もう1つは、デザインの力は日本以外でもたくさんの国が必要としているということはセブで働いて、モンスター・アカデミアを始めてから改めて実感するようになりました。 他の国から「英語でこのカリキュラムをやってくれないか?」とお声がけいただくことが増えたんです。デザインは何かを作るだけではなくて、考え方や思考のプロセス自体に価値があることだと思っていて。なので、そういった教育を通して、デザインの力で未来を切り開くことができる仕組み作りをしていきたいと思っています。

ー「デザインの力」という言葉が出てきましたが、神子さん個人としてはデザインはなぜ力を持っていると思いますか?

ものを作るというプロセスを通して考え抜く、ということが大事だと思っています。エンドユーザーを考え抜くためのUXリサーチとか、考え抜く力はデザイン以外の部分でも大事だと思うんです。フィリピン人は、「しょうがない」というような排他的な考え方になってしまったり、考えることは得意なほうではないんです。でもそれってすごくもったいないなと思うんです。

もう少し考え方の視野を広げてみたり、深掘りしてみたりとか、ちょっとした考え方の違いでどうにでも未来は広がっていくはずなんです。デザインのプロセスや思考など、考え抜く力みたいなものを彼らに与えることで、デザインに限らず、未来について考えたり、相手のことを考えたり、そういった考え方が深くなって、すごく変わっていくと思っています。その考え方は私自身も彼らとコミュニケーションを取っていてもすごく思いますし、モンスター・アカデミアの事業を通しても実感します。

ー素敵です!A.C.O.も、デザインコンサルティングファームとしてデザインを強みとしているのですが、セブチームと今後どういった関わり方ができると良いと思っていますか?

それぞれの強みをうまく繋げていき、一つのチームとして動ける体制を作っていければと考えています。

11月、A.C.O.にセブチームが来訪

11月、A.C.O.にセブチームが来訪

A.C.O.のみなさんも、セブのデザイナーも、それぞれ働き方が柔軟で、広くなっていくようになるとうれしいなと。今私が日本に行ったり、時々お客さんに来ていただいたり、コアメンバーだけがそういったことをしているんですけど、それだけではなくて、今回2人セブのメンバーがA.C.O.さんに行って、今度はA.C.O.さんのメンバー2人がセブに来る、みたいな感じで。

個々が動ける範囲が増えた結果、もっといいものが作れたり、かつセブ拠点のデザインのレベルやモチベーションが上がったり、A.C.O.さんの持っている案件の幅が広がったり、そういう形に持っていければいいな、と感じます。いずれはA.C.O.さんもモンスター・アカデミアに来て講義とかもしていただきたいですね!

ー最後に、神子さんがセブで教育事業とデザインを強みにした拠点で働くデザイナーとして、今後のビジョンや野望などがあれば教えてください。

私はフィリピン人やローカルの方々にデザインの持つ力を体験してもらいたいと思っているので、デザインの育成や海外開発拠点の認知はもっとこれからも拡大していきたいと考えています。そういった点と繋がってくるのがモンスター・アカデミアで、今は日本人のみの受け入れですが、ゆくゆくは「I have no choice」といった考えの方々に対してデザインの素晴らしさを提供できるような仕組みを作りたいと思っています。国籍問わず、デザインに興味のある人が教育を通して、彼ら自身の可能性や未来を広げることができるような事業に成長させることができたらいいな、と思っています。

ー本日はありがとうございました!

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by Sanae Kinoshita

獨協大学国際教養学部言語文化学科卒業。東京デザインプレックス研究所卒業。コールセンターをはじめとするアウトソーシング会社での営業経験を経て現在に至る。プロジェクトマネジメント担当。プロジェクト・ディレクション部所属。2019/4にACO Journal3代目編集長に就任。

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