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Staff Stories

生活の中のデザインで課題解決を。戦略を生業とするデザイナーの3つの軸

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「Staff Stories」では、ACOのパートナーを紹介しています。今回登場するのは、デザイン部の小林 拓也。小林は2018年5月にACOに入社。明るい性格と圧倒的な向上心を武器に活躍しています。

小林拓也

Takuya Kobayashi

小林 拓也・法政大学キャリアデザイン学部卒業。UIデザイナーとしてキャリアをスタートし、ブランド開発や体験設計フェーズまで携わる。現在は、Monstarlabグループ海外拠点のプロジェクトへの参加など国内外の案件を推進。好きなことは、レコード収集、キャンプ、NBA、シーシャなど。

社会学とビジネスを学んだ濃密な大学時代

「国際経験はあと5年で確実に必要になるから、とりあえず留学しなよ」そんな言葉をかけてくれた田中研ノ輔先生との出会いが、今の僕の土台となっています。

大学のゼミで出会った田中先生は、プロティアンキャリア論(環境の変化に応じて自分自身も変化させていく、​柔軟なキャリア形成の考え方)の第一人者で、メルボルンやアメリカをバックグラウンドとして持っている方。もともと海外からの観光客の多い成田の高校に通っていたので、海外留学は自然と頭の中にありましたが、その言葉はとても印象的でした。さらにそのゼミには、ソフトバンクアカデミアの第1期生でもあった先生の繋がりで、国内外の大手IT企業からキープレーヤーが話をしに来ることも。ゼミのテーマである社会学だけでなく、アントレプレナーシップについても学ぶことができました。

このゼミはとにかくディスカッションを重要視していて、「どう思う?」と必ず聞かれ、答えるとさらに「現代社会においては何に置き換えられる?」なんて聞かれる。そうしたディスカッションを通して、あらゆるテーマを自分が生きている社会や生活環境に当てはめられるようになっていきました。先生が理論の本質的な部分と社会、そしてビジネスとを繋げるのが上手い方だったこともあり、ディスカッションはとても面白かったですね。

そもそも社会学は、自分たちが生きている社会そのものの構成要素を分解し、その中の人達の持つ意識を探るような学問。抽象的だからこそ何にでも適用可能で、いくらでも深く考えることが出来るんです。しかもそれを先生の力を借りて、社会やビジネスと繋げて捉えることができる。ちょうど終身雇用制度が崩壊しつつあったタイミングで社会学とビジネスとに触れられた、とても濃密な3年間でした。

あたらしい“デザイナー”像が、デザインを身近に引き寄せた

ゼミのゲストで最も刺激的だったのは、当時のFacebook Japan 副代表と共に、カリフォルニアからプロダクトマネージャーやエンジニアの方が来たとき。僕ら自身も、ユーザビリティテストとデプスインタビューを受けたんです。その中で当時まだ日本ではほとんど知られていなかった「UX」や「体験設計」「ユーザーリサーチ」、そしてシリコンバレーの存在を知りました。もともと留学は計画していましたが、この出会いの数ヶ月後に渡米しました。

キャプション=アメリカ留学時代の小林

アメリカ留学時代の小林

留学時に滞在したのはカンザスシティ。ネット上で現地の学生とコンタクトをとって、シリコンバレーの盛り上がりの中心・スタンフォードにも一週間ほど滞在しました。そこでさまざまなサービスやプロダクトを知っていった中に、Airbnbがありました。創業者はデザイナーだけど、当時自分が知っていたデザイナーと何が違うのかわからなかった。広告っぽいデザインをしていないし、何をやってるデザイナーなのか、そのときはまったく理解できませんでした。

それでも、今まで自分が知っていたデザインとは異なる、ビジネスやプロダクトの成長に大きく関与する“デザイン”に非常に興味が湧いたんです。もともと写真や広告が好きでデザインにも興味はあったんですが、デザイナーは美大出身の人にしかできないものだと思っていて。そこに全く新しい“デザイン”が登場したことで、「こういうこともデザインって言うんだ」「こういう職種についてみたいな」と考えるようになりました。

作り手としての背中を押したクリエイティブな環境

その後アシスタントプロデューサーとして入社したビジュアルデザインスタジオWOWでは、とにかくすごい経験をさせてもらいました。スーパーディレクターとスーパーデザイナーがたくさんいて、バイネームで依頼が来る会社。しかもビッグクライアントばかりで、刺激の多い環境でした。

専門学校での制作物

WOWに依頼される仕事は多岐に渡りましたが、アーティストのような彼らのアイディアを聞いても、たいていわけがわからない(笑)。でも、つくったものを提案するときはロジカルに説明できる。そういうクリエイティブジャンプの力を目の当たりにして、デザイナーを「かっこいい!」とより強く思うようになったことで、自分も作り手になりたい気持ちが生まれてきたんです。年齢的にもこれが最後と思い、半年後には会社を辞めてデザインの専門学校に進んでいました。

WOWでは短い期間でしたが、さまざまな広告代理店、デザインエージェンシーなどとプロジェクトを通じて関わりあう中で、ブランディングやUI/UXなどに関する良質な情報に触れられたこと、そして何よりWOWのデザイナーたちの作風や考え方を覗けたことはとても貴重な経験になりました。

「かっこいい」の感覚が、作り手たちとの共通言語

今の自分の強みは、デザインに関する総合的な知識を持っていること。当初は、Chermayeff & Geismar & HavivというNYのブランディング会社に大きく影響を受けていたので純粋なブランディング領域を目指していましたが、A.C.O.入社初期に上流工程からアウトプットまで広く携わらせてもらったことや、いろいろなことに口を出したい自身の性格から、徐々に興味の幅が広がっていった結果だと考えています。

でも体験設計、アウトプット、ブランディングなどは、それぞれに専門会社があるくらい深い領域。今まさに、主とする領域を選ぶ大切な節目に来ています。

元々は自分で作りたいと思って専門学校に通い、「表現」についても学びましたが、課題解決の方が得意だと感じています。ブランディングやグラフィックも課題解決のコミュニケーションツールですよね。以前は「かっこいいものを作りたい」と思っていましたが、今は「かっこいいものが、かっこいいと分かればいい」と考え方も変わりました。

それでも、単純に見た目がかっこいいものは好きだし、これはずっと持っておきたい感覚です。ただし、それを自分がつくりたいかというと少し違う。技術が足りないところを埋めるために時間を使うより、英語やビジネス、プロダクトなどに費やす方を優先したいんです。自分は戦略面を生業として、アートディレクターやアーティストと組むようなイメージ。そのときに、彼らを理解して同じ言語で話せる存在でありたいと思っています。

プロダクトづくりを支える3つの軸。多角的な視点で課題解決を目指す

A.C.O.とクライアントとの関わり方にはさまざまな形があります。ブランド開発では、クライアントと一緒にどういうブランドにするかを考えるところから、プロダクトデザインでは、既存のサービスに対する課題感のキャッチアップから関わることが多いです。どちらもクライアント企業の目指す方向性や提供価値を見ている、という点は同じ。ただし後者だと、「もっとこういう体験を作り出した方がいいのに」と思うこともあります。

そういった案件で、過去に一つ変わった提案をしました。その案件は、プロダクトは非常に意義があるのに、プロダクトアウトに発想が寄りすぎているように感じていたんです。そんな中、コロナの影響もありそのプロダクトが打ち切りになることに。そこで、デザインを納品するのではなく、プロダクトについての提言をまとめた資料を提出したんです。

資料では、もっとユーザーを見る必要性や、ユーザーの生活にこのプロダクトがどう活きるのか、そのときにこのプロダクトはどんな提供価値を持つべきか、そしてどういった手触りや使用感を与えるべきか、などを説きました。僕は常に、実際の人間の感情や行動を想像することを大切にしています。クライアントとのミーティングでも、「こういう人が、こういうときに使う」といったユーザーストーリーを伝えるようにしています。大量のアプリがほとんど同じ機能やUIになって行く中で、そこまでしっかり考えて細かい体験を作っていかないと、ほんとうに使ってもらえるものになんてならないんです。

こうした考え方に「社会学」「ビジネス」「グローバル」という自分の軸が見えると思います。「社会学」がUXを、「ビジネス」が事業について考えることを支えています。これらは今の仕事において必要なスキルですが、もちろん自分ひとりで身につけられたわけではありません。大学のゼミで学んだあとも、さまざまな人と話したり、今の周りの環境があるからこそ持てている考え方と言えます。

A.C.O.オフィスでの様子

そして「グローバル」。大学時代のシリコンバレーでの経験だけでなく、A.C.O.に入社後も Creative directorのJamesと案件を共にすることが多く、グローバルな視点やマインドを育ててもらいました。A.C.O.の親会社であるMonstarlabの海外案件にアサインされる回数も増えており、国内ではあまり見ないユニークな案件に数多く触れ、他拠点の同僚からも刺激をもらっています。こうした経験を生かし、より多角的な視点で課題解決ができる人材になりたいと思っています。

社会の変化に応じたアウトプットを出し続ける存在でありたい

好きな本に『A lesson with AG Fronzoni』があります。この本から僕が受け取ったのは「デザインは学問よりも生活の中にある」といった思想。それが好きなんです。僕は生業としては戦略を軸にしているけど、そういった生活の中にあるデザインの作り手としてのアイデンティティは大切にしたい。それがなければ何もなくなってしまいます。僕にとっての「デザイナー」は役職や肩書ではなく、アイデンティティとして持ち続けたい姿勢や考え方のようなものなんです。

ただ、じゃあ「デザイナーとは何か」に対する答えは、究極的に言えば何でもいいと思うんです。それは完結することのない広くシンプルな言葉で、変化する時代や環境の中でその時々に求められるアウトプットを出していく存在。それが広告のときもあれば、プロダクトのときもある。そういう“デザイナー”でありたいですね。

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by Takuya Kobayashi

法政大学キャリアデザイン学部国際社会学エスノグラフィー専攻。東京デザインプレックス研究所卒業。デザイン担当。デザイン部所属。

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