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2020年だけを見据えた日本企業は取り残される?グローバル企業が描く2021年より先の未来。

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2020年だけを見据えた日本企業は取り残される?グローバル企業が描く2021年より先の未来。
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日本にとって 2020年は重要なマイルストーン。しかし世界の各企業の意識は…?

ここ数年の間、私たちは日本企業のグローバルサイトの立ち上げやリニューアルを数多く支援してきました。もちろん、それぞれのゴール設定は違いましたが、1つ共通していたニーズは「私たちが何者であり、何をしているのかを正しく伝える」ということでした。

約5年前までは、この基本的なメッセージを効果的に伝えられている企業は少なかったと思います。しかし今では、どの企業も素晴らしいWebサイトを持ち、自分たちの価値を発信しています。その中で、どの企業も今まさに伝えようとしているメッセージが「2020年に向けたビジョン」です。

日本企業の2020に向けての取り組み

日本企業は2020年の東京オリンピック・パラリンピックを軸に、積極的な活動を行なっています。スポンサーにとっては大きな宣伝効果を見込めるチャンスであり、企業にとっては中期的な戦略を結びつけるための便利なマイルストーンです。

もちろん、すべての企業・事業がそこに向かって進んでいるわけではありませんが、少なくともWebサイト上では企業の戦略を2020年と結びつけることで、決定的な転換期としています。その点においては、多くの企業がうまくいっていると言って差し支えないでしょう。

しかし、考えてみてください。オリンピック・パラリンピックを開催しない他の国にとって2020年は、とある1年に過ぎないのです。(※私はイギリス人なので、2012年のロンドン五輪を経験しています。そのことが、そう思わせている要因のひとつかもしれませんが…。)

近年、デジタルトランスフォーメーション、AI、ブロックチェーン、シェアリングエコノミーなど、ビジネスの世界は大きな変化を迎えています。ある意味、混乱と不確実性で満ち溢れている状況ともいえますが、だからこそ企業そのものが変化していくことはもちろん、その変化を伝えていくことが欠かせなくなってきました。

では、世界各国の企業は、どのようにして自分たちの変化や、それにまつわる戦略を伝えているのでしょう? どのようにしてステークホルダーに自分たちがポジティブで有益な未来に向かっているのかを伝えているのでしょう?

今回は、そのことをうまく表現している3つの企業を紹介します。いずれも素晴らしいビジネスを展開している企業です。さっそく見ていきましょう。

CASE 1

煙のない未来を目指す/PMI(フィリップ・モーリス・インターナショナル)

“煙のない未来をデザインする”ということは、タバコを販売する企業からすれば縁のないメッセージのように聞こえます。しかし、世界的なタバコ会社であるPMIは、このコンセプトを元にコミュニケーション戦略を行っています。

多くの人々(特に西洋諸国)は、タバコ産業をネガティブに捉えてはいるものの、PMIの無煙をデザインするというアプローチは、斬新でありながらうまく実行されているように思えます。しかも、そのメッセージは日本の各企業のWebページによく見られるような《ビジョン》というページだけで発信されているわけではありません。

フィリップ・モーリス・インターナショナル

PMIの《WHO WE ARE》ページには、以下のメッセージが書かれています。

私たちは、いつでもドラマティックな仕事に力を注いでいます。ですから、従来のタバコを煙の出ない代替品へと切り替えることは、私たちの産業にとって大きな変革となります。しかしそれは、消費者、産業、株主、そして社会にとっても正しいことなのです。

しかもPMIは、過去の栄光を捨て去ることに躊躇はしていません。

今日、私たちが提供しているタバコは、世界で最も知られたブランドひとつです。 しかし明日には、スモーク・フリーの新製品が象徴となるでしょう。

さらに《リーダーシップ》のページにおいても、PMIの新しい変化を伝えようとしています。。

我々のリーダーには豊富な経験があり、迅速に行動に移すことができ、そして会社を変える勇気があります。

フィリップ・モーリス・インターナショナル

これらは国内向けだけでなく、海外向けのグルーバル・メニューでも同様の戦略を伝えています。ありふれた商品のリンクに置きかわり、大々的にスモーク・フリー製品のリンクをメニューに表示しているのです。そして、従来の紙巻きタバコは、《WHO WE ARE》の中にひっそりと置かれた《主要ブランド》のコーナーへ移されました。

また、PMIのコピーライターは、この機会を勇敢に捉えてフレームシフトを行うという素晴らしい仕事をしています。

変革の時代に、他の人が何もしないことを選んでいた代わりに、私たちは企業の新たな道しるべを設定しました。かなり大きなことを成し遂げることに決めたのです。

もちろんPMIは、今も従来の紙タバコ製品と新しいスモーク・フリー製品の両方を販売しています。つまり、長年のメイン商品を手放すことはしなかったということです。しかし、将来の行く末ははっきりと見据えていますし、Webサイトを通じてその概要を伝えています。ちなみに、あなたの会社は変化の途中でしょうか? そうであれば、どのようにしてその変化を伝えようとしていますか?

日本の企業では《CEOのメッセージ》や《企業理念》などのページで概要を伝えることが一般的ですが、それでは充分ではありません。なぜなら、これ以上ないほどの確信的な戦略を示すことが求められますし、全てのメッセージに一貫性を持たせなくてはならないからです。

PMIのような変化を受け入れるためには、大きな決断が必要です。大胆な戦略を打ち出すことはステークホルダーに対して力強いメッセージを送ることになります。つまり、胡座(あぐら)をかいているつもりはない、と。我々の行動は現在進行形である。生き残り、成功するのだ、と。

CASE 2

Uberの多様性/Uber(ウーバー)

変わらなければならない状況なのに、それを証明できる成果が何もないとしたら、あなたはどうしますか?

2017年のUberは、セクシャルハラスメントやその他の問題が浮き彫りになったことで、ブラックな企業文化が明るみに出た年でした。結果、設立者でCEOのトラビス・カラニックが投資家たちのプレッシャーにより退陣を余儀なくされ、代わりにダラ・コスロシャヒが後任をつとめることになってしまいました。

コスロシャヒの重要なミッションのひとつは、企業文化に多様性を取り組むことでした。Uberが多様性に乏しいということは、シリコンバレーの企業にとっては周知の事実であり、まさにその部分にスポットライトが当てられました。もちろん、社内に多様性を与えるのは簡単ではなく、非常に時間の掛かることです。

そういった中で、Uberのアプローチは率直でシンプルなものです。まだ何かが変わったというまでには至っていませんし、実際にまだ何も行なってはいない状況です。その代わりに、Webサイトの中にある社内の多様性について記載されているページでは、企業としての将来像に焦点を当てていて、そのページはこんな文章で始まります。

私たちは、Uberにどう見られたいか、どう感じて、どういう取り組みをしてもらいたいか。

ウーバー

さらにページを読み進めていくと、Uberのより良いビジョン、Uberの多様性について、《私たちのあり方》の中でこれからの約束をこう語っています。

私たちは人を育てます……。半年の間に、リーダーシップ用の新しいプログラムを開始します。マイノリティな人々、そして女性たちのために。
私たちはリーダーシップに参加します……。リーダーシップたちの日々の行動の中に、すべての人を入れるサポートをさせることを約束します。

このようなゴールを説明した後で、Uberは今まで辿ってきたステップと少しばかりの成果を示しています。例えば、夢を追いかける人々を法的にサポートし ファンドを設立したことなどを挙げています(ここで言う夢を追いかける人々というのは、アメリカに移住してきた不法移民らのことです)。

多くの企業は、これとは逆の順序で説明を行っていきます。まず第一に成果を押し出し、その後に将来のゴールについて語ります。これがコミュニケーションを変えるための核となるベネフィットの1つです。これは株主に対して、将来的に価値を生み出すポテンシャルがあることを示すことになります。ただし、過去と現在の成果は、将来の成功に与えるインパクトとしては限定的です。だからこそ、明るい明日への扉を開くために、変化を示すことが大切なのです。たとえ今は企業が変化の結果を示せるものがないとしても、株主に対して明るい未来が来るのだと。つまり、変化に対しコミットすること、それこそが力強いメッセージとなるのです。

もちろんそれを実際に行動するべきですが、成し遂げた進歩がないからといって躊躇してはいけません。Uberが多様性を実行するという約束をしたことは、会社の成功を邪魔する文化を変えようとするための試みなのですから。

CASE 3

ビジネスの変革を一緒に変えたい/Unilever(ユニリーバ)

事例1で紹介したPMIの戦略は、消費者のニーズが変化していることに対するリアクションでした。それは、健康を犠牲にせずにタバコを楽しみたい人々のことを指します。その一方で、さらに積極的な変化を求めている企業もあります。例えば、ユニリーバの持続可能な戦略は、変化を通して価値を創造するという考えの基に実行されています。

ユニリーバでは「社会と地球全体に寄り添うことで成長を得られる」といった、新しいビジネス・モデルを描いています。Webサイトには《サステナブル・リビング・プラン》というセクションを設置し、彼らの熱意によって作り上げた進歩の概要を紹介しています。

120年以上もの間、我々はパイオニアであり、発明家であり、変革者でした。しかし、世界の動きは速く、日々多くのことを学んでいます。それでも、やることはまだまだありますし、今のままでは足りません。

このメッセージには、CEOのポール・ポールマンが更にこう加えます。

我々は転換点にいる。 人々と惑星を助けるビジネスだけが成功するでしょう。 我々は、パートナーシップ、コラボレーション、そして信頼を通じて、我々のインパクトを拡大しなければなりません。

ユニリーバ

ユニリーバは、サステナブル・リビング・ブランド(2017年の売り上げ伸び率の70%を占める)などを例に挙げて、変化による成果を説明しています。しかし、まだまだ伸び代があると語っています。

私たちは未来に目を向けていますし、日々学んだことを、この先さらに見たい変化のために応用しています。そして、その先の変化に順応し、着実に発展しています。しかし、今こそ私たちのビジョンを、もっとステップアップさせる時なのです。2020年を超えて、さらに先のユニリーバを見据えるために。

ここで注目すべきは、ユニリーバにとって2020年というのは、戦略的に他社と差をつけるには時間が足りないという点です。だからこそ、もっと先のステップへ移ろうとしています。

あらゆる問題に対して、答えを持ち合わせているわけではありません。私たちは、パートナーシップとの信頼を通じて成功することを知っています。だからこそ、私たちのコミュニティに対して、この旅の次なるステージをつくるために協力してもらうようお願いしています。

このような誠実な言葉を聞くと、新鮮な気持ちになります。というのも、ほとんどの企業は、ある問いに対する答えを持ち合わせていないことを認めたがらないからです。ユニリーバのように、答えを見出すためにコミュニティの協力を求めようとしている姿勢は、柔軟(オープンマインド)で社会的意識のあるブランドを創り出すことになるでしょう。

ユニリーバの夢を大きくする、そのお手伝いをできることにワクワクします。私たちの未来は、変化に向けたエコシステムを創造することにあるのです。まだやれることない? そう考えられる人々のネットワークをつくりたいです。(従業員の言葉)

ユニリーバ

これからユニリーバがどのように変わるのか? それは明らかにされていません。しかし、問題が山積しているように思える現在の世界では、変化することが最初の選択になるかもしれません。

今こそ考え実践しなければいけない、2021年以降の新しい変化と挑戦

2020年を目前にした今、すでに大多数の日本企業が自社のWebサイトの更新を終え、最新の状態で運営していることでしょう。だからこそ、このタイミングで大きな変化を施したり、競争相手よりも一歩先のビジョンを掲げたりすれば、リスクを招くことになりかねません。

しかし、グローバル視点で考えてみると、今こそがコミュニケーション戦略を一歩前に進め、ビジネスで起こるポジティブな変化を試みる時なのです。2020年を迎えるまで約2年。このままジッと待ち続けますか? もしあなたの企業が変化や成長に躊躇していているのなら、私たちはみなさんが前に進む力となります。

A.C.O.では、コミュニケーション戦略をつくるお手伝いをしています。興味があればぜひ、ご連絡ください。

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WRITER

jb

ボウスキル ジェイムズ

JAMES BOWSKILL
取締役兼CCO / CREATIVE DIRECTOR

University College of Ripon & York St. John卒業。イギリスヨーク州のMyKnowledgeMap (e-learning company) にてデザイナー兼プロダクションマネージャーとして勤務後、2001年に来日し、現在に至る。クリエイティブディレクション、アートディレクション担当。

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Illustration:岩田 紗季

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