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制作前に知っておきたい、中国国内向けWebサイトの開発・デザインの注意点

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※本記事は2022年8月時点までの情報に基づいた内容です。

中国国内向けWebサイトの制作には、独特な注意点がたくさんある

こんにちは、プロジェクトマネージャー/ディレクターの長谷川です。

A.C.O.ではグローバルサイトや海外のリージョンサイト(特定の国や地域向けのサイト)の制作を得意としています。またその中でも、日本企業の進出割合が多いことから中国国内向けのWebサイトを制作する場合もあります。ですが、中国のWebサイト制作には独自に考慮しなければいけない点が多いため、注意が必要です。

そこで今回はWebディレクターやデザイナー向けに、中国国内向けのWebサイト制作やそのデザイン時に注意すべきことをまとめました。

中国のWebサイトは何が違うのか

中国のWebサイトが日本や英語圏のWebサイトと異なる理由は大きく2つあります。

1つ目は、国の政策による情報規制が多いことです。みなさんもご存知の通り、金盾(通称:グレートファイアウォール)と呼ばれるファイアウォールの影響で、Google、Facebook、YouTube、Instagram、Amazonなどの日本で広く使われている海外サービスが中国からはほとんどアクセスできません。

また、国からの認可を取得しないと中国国内でWebサイトを公開できないといった規制もあります。

2つ目は、簡体字や繁体字といった中国独自の言語や、日本とは異なる住所ルールです。住所表記に注意しなければいけないことは他の国のWebサイトでも変わりませんが、中国には特別行政区や自治区といったほかの地域とは管理が異なる地域があったり、米国のように住所ルールが統一されていない地域も存在します。

これらがWebサイト制作にどのように影響してくるのか、具体的に紹介していきたいと思います。

ICP登録を行い、WebサイトにICP番号を掲載する必要がある

中国でWebサイトを公開するためには基本的にICP(Internet Content Provider)の登録を行い、ICP番号と呼ばれる認証番号をWebサイトに掲載する必要があるため、新たにWebサイトを開設する際には注意が必要です。

下記キャプチャのように、中国のWebサイトではフッターにICP番号を掲載しています。ICP番号を掲載しなていないと強制的なWebサイト閉鎖や罰金を課される場合があるので注意しましょう。

Tencent社のフッターキャプチャ

Tencent社のフッター

東風汽車社のフッターキャプチャ

東風汽車社のフッター

ICP登録の方法については具体的な説明をしている記事がたくさんあるのでここでは割愛しますが、下記の2点にはあらかじめ考慮しておくとリスクヘッジになります。

  • ICP登録のためには国内に現地法人や駐在事務所などの物理的な拠点を持っている必要がある。
  • 申請してから番号が発行されるまで1ヶ月前後の時間がかかるので、プロジェクト期間に余裕を持って申請を行う必要がある。

「楷書体」フォントの種類がかなり少ない

左:楷書体フォントの例(Kaiti SC)
右:明朝体フォントの例(游明朝)

中国語フォントには楷書体のフォントがかなり少ないため、デザインを行う際には注意が必要です。

まずデバイスフォントとして搭載されている楷書体のフォントがほとんどなく、Macには「Kaiti SC」がありますが、Windows、iOS、Androidには楷書体フォントが搭載されていません。さらに、中国ではGoogleFontsが使えないので、フォントの選択肢自体がグッと狭まります。

フリーで使えそうな楷書体フォントも探せば見つかりますが、出どころの信頼性や、膨大な中国語の文字を広くカバーしているかという点を考慮すると、企業の公式なWebサイトでの利用は推奨できません。

また有料で楷書体フォントを買うこともできますが、サーバーにアップしてWebフォントとして使えるものはほとんどありませんでした。

そのため基本的には楷書体を使わず明朝体フォントを使う方が無難ですが、楷書体フォントを使いたい場合は事前に使えるフォントの種類とウェイトを確認しておくのがおすすめです。

GoogleMapsが使えない

中国ではGoogle系サービスが軒並み使えないため、もちろんGoogleMapsも使えません。そのため、Webサイトへの地図の埋め込みや地図リンクの設置には、下記のような代替となる地図サービスを検討する必要があります。

  • 高徳地図(Alibabaグループ)
  • 百度地図(百度)
  • どちらのサービスもWebサイトへの地図埋め込みや地図リンクの発行にも対応しており、中国国内で大きなシェアを誇っています。

    2022年3月現在では、高徳地図の方がナビの精度などに定評があり人気が高まってきているようです。

    SNSの種類に注意

    記事のSNSシェアボタン設置にも注意が必要です。日本国内のWebサイトでよく使うFacebookやTwitterをはじめ、LINE、Instagram、YouTubeも中国ではすべて使えないため、中国国内で利用可能な別のSNSのシェアボタンを設置する必要があります。

    Tencent社のSNSシェアボタンのキャプチャ

    Tencent社のSNSシェアボタン

    中国でシェア率の高いSNSには下記のようなものがありますので、それぞれの特性や用途に応じて使い分けていくことをおすすめします。

  • 1対1コミュニケーション系:WeChat(微信)、Tencent QQ(騰訊QQ)
  • 多対多コミュニケーション系:Weibo(微博)、RED(紅小書)、Baidu Tieba(百度贴吧)
  • ショートビデオ系:Douyin/TikTok(抖音)、Kuaishou(快手)、Xigua Video(西瓜视频)
  • ロングビデオ系:iQIYI(爱奇艺/アイチーイー)、Tencent Video(腾讯视频)、Youku(优酷/ヨウク)、Bilibili(哔哩哔哩/ビリビリ)
  • 住所の表記ルールがエリアによって異なる

    住所入力フォームをデザインする際にも注意が必要です。

    中国には、中国本土のほかに香港、マカオ、台湾といった扱いが異なる地域が存在しています。そのため、同じ中国語圏ではありますが、住所の表記ルールがエリアによって異なります。

    中国本土には省、自治区、直轄市といった括りがありますが、香港など、郵便番号がない地域もあります。そのため、中国語のWebサイトで住所の入力フォームをデザインする際はエリアごとの表記ルールを明確にし、デザインする必要があります。

    Amazonでは、地域ごとに住所の入力フォームが異なっています。

    Amazon中国の住所入力欄のキャプチャ

    Amazon中国の住所入力欄は中国本土と香港・マカオなどで住所フォームが異なっている

    そのほか、制作開始前に知っておきたい注意点

    サーバーは中国国内のものを。AWSも使えるがリスクもある

    サーバーを中国国外に置くと、物理的な距離の問題や金盾の影響で速度がかなり遅くなるようです。そのため、基本的にはサーバーは中国国内のものを利用することをおすすめします。

    AWSも使えるようですが、他の国とは管理が切り離されているため一部利用できないサービスがあります。そういったリスクを考えるとAlibaba Cloud(アリババクラウド)・Tencent Cloud(テンセントクラウド)などの中国国内のサービスの利用が望ましいと言えます。

    Google Analyticsは動作不良や動作遅延の原因になるから避けるべし

    Google Analyticsタグなどが埋め込まれていると動作不良・動作遅延の原因になってしまうめ、中国国内向けのWebサイトを制作する際は使用を避けることを推奨します。

    Google Analyticsの代替ツールとしてBaidu Analytics(百度统计)やUmeng Analytics(友盟统计)などがあります。ただし、Baidu AnalyticsはWebサイト公開後のインデックス登録が遅いため、注意が必要です。Googleだと1週間程度でインデックス登録されるが、Baiduだと3ヶ月程度かかってしまうため、早めに対応を進めておきましょう。

    まとめ

    今回は中国国内向けのWebサイト制作における注意点を紹介しました。グローバルサイト制作のデザイン・開発を行う方のお役に立てれば幸いです。

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    by Daisuke Hasegawa

    神奈川大学工学部機械工学科を卒業。自動車内装部品メーカーにてプロダクト設計の経験を経て、現在に至る。UXデザイン、情報設計担当。UX/IA部所属。

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