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息子の文房具収納を、体験設計の視点で改善してみた件。

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こんにちは、UXデザイン・情報設計担当の大橋です。

情報設計や体験設計のスキルを磨くには、書籍をたくさん読んだりセミナー等に参加することも大事かもしれません。しかし、日常生活の中に物事を構造的に捉える練習や、体験の整理が実践できる機会はたくさんあるのです。

今回は息子の文房具収納を見直す計画を立てていたのですが、「これって体験設計の見直しじゃん」という気づきがあったのでレポートとして書き起こしてみました。気軽に読んでいただければ嬉しいです。

前提整理と進め方

はじめに息子のプロフィールと、現状の悩みをご紹介します。

息子の紹介

◎年齢・・・4歳
◎身長・・・100cmいかないくらい
◎能力・・・最近、ひらがなやカタカナが読めるようになってきた
◎好きなおもちゃ・・・「ぴったり当てはめる」「同じものを探す」ようなおもちゃ
 (例:パズル、ブロック、大工さんセット)

現状の悩み

    息子
  • 道具をどこに戻して良いか判断できず、諦めて違うところへ戻してしまう
  • よくペンやハサミが無いと言って探している
  • 探す時間が長く、なかなかやりたいことができず拗ねてしまう、諦めてしまう
  • なかなか片付けが終わらないため、何度も声がけをする
  • 元の位置に戻っていないと指摘してしまい、喧嘩になってしまう

つまり大きな問題は2つ。物の定位置が不明確かつ分かりにくいため、間違ったところにしまい、怒られて片付けのモチベーションが下がっていること。そして次回使うときに見つからず、さらに届かなかったり持ち運びにくかったり楽しい工作自体にも影響が出ていることです。

改善前。いや、汚い〜〜〜!!本当は見せたくなかった!!笑

現状は、IKEAのワゴンに、無印の仕切りケースやダンボールなどの収納用品を使ってエリアを区切っています。

定位置自体は決めているものの、ルールを見える化していないため、息子が忘れてしまうときもあります。また、パッと見たときに、戻すべきところが分かりにくいですね。
この問題を踏まえて、改善の目的と目標を立てました。


    目的
  • 息子側・・・工作やお絵かきに集中できる時間を増やし、片付け自体を楽しめるようになる
  • 親側・・・片付けを促したり、片付け間違いを指摘するなどのストレスを軽減する
    目標
  • 息子にとって、文房具を、探しやすく取りやすく、かつ楽しく元あった場所に戻しやすくする

ではどのように改善するのか、進め方の計画を立てます。

改善の進め方
① 息子を観察し、片付けを妨げている問題を洗い出す
② 各文房具の役割を整理
③ 観察を踏まえ、よく使うものの優先度付けを行う
④ 探しやすさや戻しやすさの案を出す
⑤ 実際に収納方法を改善
⑥ 検証

①息子を観察し、片付けを妨げている問題を洗い出す

息子が工作をするとき、文房具をどのように選びどのようにしまうのかを観察し、簡単なジャーニーマップを作成しました。こうして見ると、圧倒的に問題(青の付箋)が多いことが分かります。工作が完成した達成感や喜びの感情を損なわずに、お片付けもできると理想です。

この観察を踏まえて、いくつか気づきがありました。

我が家の文房具は、息子の中で「加工対象」と「加工する道具」に分類されていた

息子はほとんどの場合、鉛筆やテープなどの「加工する道具」と紙や折り紙のような「加工が施されるもの」を分けて選んでいました。
また、選ぶ際は視界に入るものの中から選び決めており、視界に入りにくい高い場所にあるものや奥に入り込んでいるものは認識すらされていないようでした。なるべくほとんどの文房具が視界に入り、加工対象と加工する道具に分けられると見つけやすそうです。

「ペンはペン立てへ」が正解とは限らない

我が家のカラーペンは蓋部分のみ対応している色になっており、それらはペン立てに入っています。しかし今回の観察で、息子がキャップを下側にして入れてしまうことがわかりました。そのため、何色のカラーペンかが分からなくなってしまい、まずペンを全部出してから利用するのだということに気づきました。
また、ペン立てに入った色鉛筆や鉛筆は、使うと短くなるためペン立ての底に入り込み見えなくなってしまうことも。鉛筆やペンは、必ずしもペン立てに収納するのが最適とは言えないようです。

ワゴンである必要性

ワゴンに文房具を収納していた狙いは、大きい制作物を作るときなどに動かせるようにするためでしたが、実は息子がワゴンを動かしているのを一回も見たことがありません(笑)。

②各文房具の役割を整理

息子がよく使うものを選ぶ前に、息子の文房具にはどんなものがあるかも整理します。まずは「加工対象」と「加工する道具」に分類し、似た役割のものをグルーピングしました。
ちりとりや鉛筆削りは「加工対象」と「加工する道具」には入らなさそうです。

③観察を踏まえて、優先度付けを行う

整理した役割を踏まえて、息子がよく使うものを選んでおき、特に見つけやすくすべきものを明確にしました。ちなみに、親目線としては、息子は折り紙を便箋がわりに使っているので、減りがかなり早いです。減ってきたらすぐに購入する必要があるので、私からもパッと残量が確認できる収納である必要があります。

④探しやすさ・戻しやすさの案を出す

次は、具体的な入れ物や目印をつけるなど、具体的な収納案を出します。私は収納が苦手なので、ママさんブログや収納に特化したサイトで、参考事例を収集し、問題が解決できそうなものをいくつかピックアップしました。

私が思いつくのは、上記で設定した優先度から成るゾーニングや、箱に名前をつける程度。ただ、子供目線だとゾーニングまで意識していないし分かりやすいのでしょうか…。

子供が自ら動く工夫
特に、モンテッソーリ教育の理念に沿った収納方法は、子供たちが自ら片付けがしたくなるような「絵合わせ」や「線からはみ出さない」ような少し遊びのある工夫をしていました。

全てが見える大切さ
美しい収納を意識すると、蓋をしたり中身が見えないように隠しがち。ですが「どこに何があるか全て把握する」には、中身が見えることも重要。底にあるものが見えなくてずっと忘れ去られてしまったり、あるのに無いと判断されてしまうこともありますよね。

⑤実際に収納方法を改善

息子の能力や性質を踏まえて採用する収納方法を決めて実際に変更しました。
ひとまず完成です!最初に設定した改善目標を基に、工夫した点をいくつかご紹介します。

なにがどこにあるかが把握しやすい
息子の目線から全体を見渡せるよう、低めの棚を用意しました。また、なるべく「加工する道具」の入れ物を統一し、パッと見で役割が違うことがわかるようにしています。

同じ言葉を探す楽しさ
入れ物と棚にそれぞれ文房具の名前をつけ、息子が好きなパズルのように「同じところにピッタリはめる」楽しさを作りました。さらに、白いマスキングテープでエリア分けをする事でエリア内に箱を置く意識を持たせ、乱れのない収納が保てる工夫もしています。

息子の背丈から見下ろしてみた。見やすい。

⑥検証

さて。決めた収納案は、「文房具を、探しやすく取りやすく、かつ楽しく元あった場所に戻しやすくする」目標を達成できるのでしょうか。再度数日にわたり観察しました。主な結果と考察は以下です。

  • 観察期間の中で、全ての収納に触れ選んでいた
    (考察)全ての収納・文房具が把握できている
  • 片付ける方法を指示する前に、同じ言葉が書かれたところへ戻していた
    (考察)収納が指示書になってくれて親の負担が軽減された
  • 新しい道具が増えた時、相談してくれた
    (考察)片付けるところが無いという認識してくれており、一緒に収納場所を考えることができた
  • 紙類の片づけ先が間違っていることが多かった
    (考察)分類がわかりにくいため今後改善が必要

まだまだ改善は必要ですが、以前よりは片付けの時に揉めることが少なくなりました。
また、こちらが指摘しなくても、戻す場所の間違いに自ら気づいてくれることも出てきました!

まとめ

いかがでしたか。思い返してみれば、先日スティック掃除機を購入したときも、事前に仮説を設定し電気屋さんで検証していたことを思い出しました。そもそも入社当時、私は子育てをスキルアップできない理由にしたくありませんでした。そのため日常生活の中で、意識的に仮説を立て検証していたのですが、いつの間にかすっかり無意識で考えるようになっていました。

しかしこれは私の職種がUXデザイナーだからではないと思います。日常的に、誰もがユーザーとして無意識にネット検索で調査比較を行ったり、来店して試してみたり、仮説検証を行なっているのです。
そこに気づき、意識するだけで、調査や情報整理、分析の練習になると思います。デザイナーの方も、そうでない方も、ぜひ意識してみてください☆

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