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【Vol.1 社員・制度編】社長つらいよ座談会!草彅洋平 × 野間寛貴 × 松本龍彦

WEBつらいよ座談会

【Vol.1 社員・制度編】社長つらいよ座談会!草彅洋平 × 野間寛貴 × 松本龍彦
A.C.O. 編集部

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Web業界のホンネを、社長自ら語っていただきました。

Web制作会社のほとんどは、お客様からの発注=受託で成り立っているというもの。大企業とは違いクライアントと近い距離で仕事ができるため、相手の要望を深く理解できたり、成果物に対して喜びを分かち合えるなど数多くのメリットがある。しかしその一方で、常に発注があるわけでもなく、内容や金銭面でも厳しい状況を突きつけられることも……。

一見、華々しく映るWeb業界だけど、実は「ツラい!」ことが盛りだくさん。この対談企画ではA.C.O.編集部がホストとなり、自分の足で立っていながらも、その大変さを身にしみて理解する人々を招き入れ、酒を飲みながら受託会社の魅力と過酷さについて語り合う。

今回のゲストは、株式会社東京ピストル・草彅洋平さん、株式会社レターズ・野間寛貴さん、ワヴデザイン株式会社・松本龍彦さん。全3回に渡って、業務形態も世代も異なる3者が、経営者の立場からそのホンネを激白!!

——今回は酒の力を借りて、普段から“ツラい!”と思っていることを吐き出してもらえたらと(笑)。いきなりですが、経営者の立場から社員さんに対して思うことってどんなことがありますか?

松本龍彦(以下・松本) いきなりですね(笑)。

野間寛貴(以下・野間) 僕の会社は職種としてはエンジニアやデザイナーが多くて、どちらかといえば、みんなオタクというよりもギークっぽいタイプ。もちろん技術的に優れているので、経営者としてはそれぞれがヒーローや主役になってもらい、会社の枠を超えて世の中に出て活躍してもらえたらなと。でも、ギークの人たちって性質的に表に出たがらない人が多くて、そういう僕の想いが形になりづらくてツラいですね。

松本 例えば、それぞれが個人サイトを持っていたりはしないんですか?

野間 個人ではなく、チームごとに持っていたりはするんですけど。

草彅洋平(以下・草彅) 噂ではチームラボさんの場合も、3年くらい会ったことのない伝説のエンジニアもいるらしいですね。部屋に篭って出てこない、みたいな。かっこよすぎます。

野間 そういう人たちを強引に外に出すのか、それとも好きなようにやってもらうのか、そのあたりは常に悩みどころでもありますね。

草彅 個人をスターとして売り出していきたい、という思惑があるという。

野間 そうです、そうです。

草彅 社員によって、向き不向きがありますからねぇ。野間さん自身が、積極的に表に出ていくという考えはないんですか?社員を表に出すことが難しい場合は、まず経営者が出ていくしかないと思うんですよ。

野間 僕自身は、基本的にそういう姿勢ではあるんですよ。逆にみなさんは、自分がメディアに露出したい、しなければいけない、という思いってありますか?

松本 それは多少なりともありますね。ただ、人の価値観って様々で、既婚者・未婚者、子供がいる・いない、といったように状況も違う。僕自身もそういう側面と向き合いながら、社員の幸せの場所ってこういうことかな、といろいろ考えたこともあったんです。でもそれって結局は、経営者の独りよがりなんじゃないか、ということに気づいて。

野間 何か対策はとったんですか?

松本 どこまでいっても価値観の統一は出来ないので、基本的には個々が好きなようにしてください、ということにしたんです。その代わり、会社としての価値観やルールは決めます、ということは明言しましたね。

社内ルールは果たして効果があるのか?

——会社経営において、ルール設定って当たり前というか、必要なものなのかなと。

松本 もともと自分も組織にいた人間でしたが、ルールに縛られすぎることが苦手だったんですよ。でも、今話したように人が増えれば価値観も散漫になる。そういう中で、スタッフのパフォーマンスを最大限に活かすためにも、価値観を統率したり、ルールを決める必要性が生まれてくる。個人的には、ルールを決めることって得意ではないんですが。

草彅 いやぁ、松本さんの話を聞いて、僕の会社もちゃんルールは作ったほうがいいなと思いましたね。東京ピストルって全くルールが無くて、今まさに空中分解しそうなんですよ!

全員 ええっ〜!!

草彅 うちの社員って、本当に全員が個性的なんですよ!だから、社員は本当に優秀なんですが、同時に狂犬ですね。

野間 うちとは逆のパターンですね。

草彅 そうそう、ある種スターしかいないという状況。でも、その人たちをまとめるとなると、自分がまともにならざるを得ない。たまに社員がクライアントに噛み付いたりするので「おいおい、それはやめようよ!」なんていう感じで、いつもなら僕が真っ先に噛み付くのに守りに入る(笑)。その状況が、もう許せなくて!かといって、社内に社訓とか標語を置いたりするのも嫌なんですよ。

野間 本当にうちとは全く違う状況ですね(笑)。スタッフの個性を活かしたい気持ちは同じですが、その中で出社時間など基本的なルールはありますから。

草彅 朝は僕も含めて、誰も出社して来ないですな。

野間 草彅さん自身は、今のそういう状態は嫌なんですか?

草彅 嫌ですね。僕だって、若い頃は会社のルールに従っていましたから。それが嫌で、自分の好き勝手にやりたいから独立したようなものなのに……。

松本 であれば、なぜそういう人たちを採用したんですか(笑)

野間 本当にそうですよ(笑)

松本 っていうか、話の内容が特殊すぎますよ!

草彅 やっぱり特殊なんですかね??

松本 先ほどの野間さんの話でいえば、デベロップ系の人たちは内向的な人が多いので、ある程度コントロールできるかもしれない。でも、東京ピストルはそういう職種の方々で構成された組織ではないですからね。編集業って人と接することが多い仕事だから、内向的な人も少ないでしょうし。

草彅 僕自身が、基本的に内向的な人は得意じゃないんですよ。確かに優秀なスタッフは個性が強い。それをまとめるのって、ある意味、サーカスの団長みたいなものだったりして。でも、何か問題が起こると「草薙さんの会社でしょ?」みたいな責任転嫁されて辞められるでしょ? そうなると、やっぱり自分が一歩引かなきゃいけない場面も多くて寂しくなりますね。

WEBつら

社員のための福利厚生、実は会社の都合でしかない!?

——社員さんが働きやすいように、いろいろな知恵を絞らなきゃいけないですね。その中で、福利厚生を上手に活かす方法もあると思うんですが。

野間 僕は最初に「こういうことあったら嬉しいかも?」と思って実践するんです。でも、実際は意外と喜ばれなかったりもして。例えば、僕が社員だったら家賃手当が欲しいんですが、それなら給料上げてもらったほうがいい、とか。

草彅 うちも社宅ありますよ。会社としては、そういうものを上手く使っていきたいですよね。

松本 以前、意見箱を作ったんですよ。しかも、採用されなくても意見を入れるだけど1,000円貰えるシステム。でも、そのうち意見を出すというよりも、投函すること自体が目的になって上手くいかなかった。あとは、本を買いたいなら会社で全部負担するといっても「家に持ち帰りたいので、自分で買います」とか。制度を使えばいいのに!って思うんですけど(笑)

——A.C.O.でいえば、セミナー費用の負担とかありますね。

松本 そういうものはいいよね。うちでいえば、プロジェクト後の打ち上げも相談してくれれば負担するけど。でも実際は、なかなか申し出てくる社員がいない。

野間 出前の代金は自分が払ったりしていますね。制度にしてしまうと、なぜかみんな使わなくなるんですよ。

松本 分かる。うちも、3人以上で食事したら負担する制度があったりして。

——ちなみに、3人以上の理由は?

松本 コミュニケーションが取れたほうが会社も活性化しますから。たまにはみんな誘ってご飯に行けば、とは言ってますけどね。

草彅 僕の会社の前にはジムがあるんですが、社員に対して自由に行けるようにしたんですよ。

松本 いいじゃないですか、それ!

草彅 でも、誰も行かない……。

野間 なぜなんでしょうね?

草彅 みんな忙しいから。だから強要も出来ない。僕自身はめちゃくちゃ利用したんですけどねぇ。結局、こちらが善かれと思ってやることって、社員にとっては意味が無いことが多くて……。

全員 経営者はツラい……。

Vol.2へ続く。

WEBつら

GUESTS

  • 株式会社東京ピストル 草彅 洋平

    株式会社東京ピストル 草彅 洋平

    株式会社東京ピストル代表取締役、編集者 兼 AD。1976年、東京都生まれ。あらゆるネタに対応、きわめて高い打率で人の会話に出塁することからついたあだ名は「トークのイチロー」。2006年にクリエイティブカンパニー、株式会社東京ピストルを設立。ブランディングからプロモーション、プロデュース、広告から紙、ウェブ媒体の制作まで幅広い仕事を手がけている。

    http://tokyopistol.com/

  • 株式会社レターズ 野間 寛貴

    株式会社レターズ 野間 寛貴

    2011年に利倉健太、大工原実里とWEBデザイン会社レターズを設立。同社代表。 twitter:@hirokinoma / @Letters_Inc

    http://letters-inc.jp/

  • ワヴデザイン株式会社 松本 龍彦

    Wab Design INC. – ワヴデザイン株式会社 松本 龍彦

    Wab Design INC./ワヴデザイン株式会社は、プロモーション・ブランディングを中心に、ウェブ、アプリ、プリンティング、ムービーの制作を手掛けるデザインスタジオです。様々なプロジェクトを立ち上げ、新たな価値観の創造に挑戦しています。主な仕事に1LDK、CA4LA、shu uemura、渋谷VISIONなど。アジア太平洋広告祭、ニューヨークフェスティバル、釜山広告祭、コードアワード、広告電通賞グランプリなど受賞。最近、3つ目の事務所を借りました。事務所はすべて代々木公園近く。

    http://www.wab.cc/

  • SUU BAR
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Writing 鈴木貴視

Photo Shooting MICHAEL NAMBU

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